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偏愛Ⅵ≪竜side≫4
「あ、…や、アァッ…」
足を閉じて抵抗しようにも、拘束されているせいで父を強制的に受け入れるしかなかった。
ゆっくりと確実に奥まで父のモノが入ってくる。
「アアッ、や、め…ん…ンンッ」
「あぁ…トロトロだよ。僕を待ってたんだね。アァ、気持ち良いよ…っ竜、最高だ」
こうなるのが嫌だから寮生活にしたのに。
父からは逃げられない。
「アアッ!父さ…ん、止めっ、ンンッ!アッ」
腰の動きを止めて鋭い目で父が言う。
「彼が亡くなったからしばらくは連絡しないでそっとしておいたのに、まさか他の男と一緒になってるとは思わなかったよ」
彼というのはひー兄のこと。
「父さん…知ってたんだ…、ひー兄が…亡くなったこと」
「一応僕は彼の親だからね」
「じゃあなんで葬儀に来なかったの?」
「いく必要あったかな?彼の葬儀なんて」
憎い。憎い。
ひー兄の名前すら言わない男。
父が研究段階の薬を飲ませたりしてた。
もともとひー兄は体が弱かったのに、だから体が弱くなったんじゃないの?
あなたの暴力でひー兄の寿命が縮まったんじゃないの?
あのとき何も出来なかった自分が悔しい。
なんでこの人は俺とひー兄の父なの?
気持ち悪い。
気持ち悪い。
父も、
ひー兄を助けずに無力で弱くて、
こんなことでしか大切な人を守れない自分も、
―…消えてしまえばいいのに
「おや?反抗的な目をしているね。そんな目ができるようになったんだね」
そういって俺の硬くなったモノを強く扱く。
「アッア!ッアアッ…ん、止め…」
「イヤらしい声もゾクゾクするよ。もっと媚薬ローション塗ってあげよう」
そして俺のモノにたっぷりと媚薬ローションをたらし、また高速で手を動かす。
ヌチュヌチュという音と俺の喘ぎ声が部屋に響く。
「アアッ!止め、い、く…アッアッ!ん、は…イクイク、イク!!」
そしてまた我慢できずに精液を垂れ流した。
それを見て父は更に興奮していた。
「おお、またイッたのか。いいよ竜。可愛いよ」
そしてずっと繋がったままの父のモノが俺の奥を攻め始めた。
「も、…やめ…ンンッ」
ゆっくり出し入れしながら笑顔で俺を見る父。
「アァッ!…ァッ、アッ」
こんなことが始まったのは俺が中学に上がったときだった。
風呂場の脱衣所で俺の裸に興奮した父が、そのまま風呂場で無理やり犯し始めた。
俺は何をされたのか分からなかった。
1度だけ強く抵抗すると、母とひー兄が今何をしているのか身辺調査をしていると言われた。
母さんは父のせいで精神疾患になり、家から出ることが怖くなってしまい、母さんの実家に世話になっているとひー兄から聞かされた。
父のことだから、二人を見つけて何かをしてしまうのではないかと思った。
俺が我慢すれば、父の機嫌を取れば大切な人に酷いことされなくなるんだと悟った。
それからは抵抗できなかった。
大切な人が傷つくのが嫌だから。
だから我慢してきた。
そんなことがもう数年。
「っ…アッアッ、ンンッ、アッアッ!」
「竜…お前を本当に愛しているのは僕だけだよ。他の誰でもない」
「ん、…や、め…アッアッ!ンンッ、アッ、…アッ」
気持ち悪い。気持ち悪い。
触らないで。
母さんとひー兄を傷つけたその手で俺を触らないで。
「芸能活動があるから家に帰らなくても許してきたけど…」
父はゆっくり出し入れしていた腰を、感情を入れて急に高速で動かしてきた。
「お前が他の男と一緒になるというなら話しは別だっ!!」
「アアッ、止め…やだ、ンンッ、アッアッ!イッ、…ク!」
「僕以外が竜の中を堪能するなんてあり得ない!」
父は俺のモノを扱きながら、激しく出し入れを繰り返す。
「はっ、あぁ…っ!イ…イク!アッアッ!ん、アァッ!」
「出すよっ…竜…!僕の精液を…温かいのを出すよ!竜の中にッ!僕で満たすよ…、ほら!」
「や、だぁ…!アッアッ!…アァッ!」
そして俺も父も果て、父の精液が俺のナカを支配した。
「はぁ…ハァ、…はぁ―…はぁ」
俺の心拍数が異常に高い。
息をするのも精一杯。
何度もイカされたのと、相手が父だから。
鼓動が早くなる。
「竜には僕しかいないんだよ」
そう言って手錠と拘束具を外して俺にキスをして部屋を出ていった。
「この1週間で気付かせてあげるよ」と笑いながら。
気持ち悪い。
それなのに受け入れてる俺のほうがもっと気持ち悪い。
汚い。
消えてしまいたい。
消えてしまえば、ひー兄に会えるのかな?
ハルカさんにこれ以上迷惑かけないかな?
消えてしまえば、
父にこんな事をされずに済むのに。
俺の荷物は父が管理してるからハルカさんに連絡も出来ない。
迎えになんてこれないよね。
1週間耐えればバンド活動や学校には行かせてもらえる。
でももうハルカさんとは一緒に暮らせない。
耐えれるのかな、1週間も…
また洗脳されそうだ…
考えることに疲れてまた父の言いなりになってしまいそうだ。
逃げたい。
逃げられない。
俺は疲れて少し眠ってしまった。
夢にひー兄が出てきた。
父に殴られて駆け寄る俺に笑顔で「大丈夫だよ、竜じゃなくてよかった」と言うひー兄。
全然大丈夫じゃないよ。
父からの反撃が怖くてひー兄を庇えなかった。
大好きなのに
もういなくなってしまった。
1度も守れなかった。
何も出来なかった。
そんな場面で夢から覚めた時には、俺の目から涙がこぼれていた。
精液にまみれた体を見て現実を思い出した。
「気持ち悪…」
吐き気がする。
風呂場へ行き、シャワーを浴びて体を綺麗にしながら思った。
「ハルカさん…会いたいよ…」
父から逃げられたら、幸せになれるのに。
失敗したらそれ以上に辛いことになりそうで、俺は恐怖で震えたまま何時間もシャーを浴び続けた。
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