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第18話 好きという感情には…② ※あいぶちょいえっちぃ

 それから、俺たちは2人で城に帰ってきたのだが、グレンシアは報告があるらしく俺を部屋まで送り届けてくれると、どこかへ行ってしまった。ちょっと寂しいと思ったが、いい機会なので俺は内緒で押し花を作り始める。  さっき買ってもらった花は鑑定によると運ステータスの上がる花らしい。つまり幸運をもたらすって事だ。四つ葉のクローバーと同じだ、これをグレンシアにプレゼントしたい。 「グレンシアは四つ葉のクローバーに似ているからな」  花を挟んだ分厚い本を閉じて、俺は笑みを溢した。  グレンシアはきっと何をプレゼントしても喜んでくれるんだよ。そんな気がするだけで嬉しい。社畜を続けてきた俺は感情を失っていた。グレンシアに感情を動かされる度に、俺は人間らしさを取り戻していくんだ。  この先も続いてほしいと願い胸に手を当てた。 「……不思議な気持ちだ」  さっきまでの不安から一転、今は幸せだ。このジェットコースターのような気分の浮き沈みは、どこかで聞いた事がある。ちょっと認められなくて、俺はベッドに入り布団をかぶった。  3日後、押し花をチェックすると綺麗に乾燥していた。押し花を厚紙に張り付けて、スライムから作ったというビニールのようなものでコーティングした。  完成だ! 部屋へ行って、さっそくプレゼントしたい。寝る時間にはまだ少しあるからな。  俺は早歩きでグレンシアの部屋まで来た。心を落ち着けてドアをノックする。グレンシアが俺の訪問を嬉しそうに受け入れてくれたので、俺は部屋に入って早々に押し花を手渡した。 「四つ葉のクローバーじゃないけどさ、幸運の押し花なんだ」 「ありがとうございます……」  グレンシアは押し花を受け取ると嬉しそうにチェストの上に飾ってくれた。 「きっと、戦場でも運は私に味方してくれますね」 「ああ、俺も居るしな」 「ですが、戦いにおいて絶対はありません。未来が失われるかもしれない」  グレンシアはベッドに腰かけると俺を呼んだ。ベッドに手をポンポンするのは隣に座れと言う意味だろう。よくわからないまま俺はベッドへ腰かけた。 「直哉さんからプレゼントを頂けて、とても嬉しいです」 「たいしたものじゃないし、買ってもらったものだけどな」 「そんなの関係ありません」  そう言いながらグレンシアは俺との距離を詰めると、手を腰に回し顔を近づけてくる。そのまま滑らせるようにして、俺の胸元を開けさせた。  その行動の意味がわかるまで俺の中でタイムラグがあったと思う。  意味を理解するとあれだ、誘われてベッドに自ら乗るというのは合意である。椅子もあるのに、ベッドに座って誘うというのは大人な行為をしましょうかという事なのだから、25歳で意味を理解してませんでした! と謝るのは実に情けない。  俺の服は脱がされて、肌が露わになっていく。頬を染めて、楽し気に手を滑らせるグレンシアの様子に覚悟を決めた。いまさら後戻りはできない。ならば、受け入れる他にない。  なにより、グレンシアに抱かれる事を嫌だとは感じなかった。  そして、下着しか身に着けていない俺の首元へグレンシアが口づけを落とす。舐められれば、不思議なくらい痺れる感覚がした。  お、俺はグレンシアの事が好きなのか? いや、緊張で感じているのだろうか……。わ、わからん。  指の感触でぞくぞくと背筋に快感が走る。    好きな人の指だから感じちゃう! とか、女の子みたいな気分で受け入れているが単純に恥ずかしい。敏感に感じてしまい体を強張らせている状況に耐えられない。 「グレンシア……!?」  その上、グレンシアの手が下着の中へ入って恥ずかしい個所に触れてくるのだから、たまらずギブアップを叫んだ。 「直哉さん……少し休憩にお話ししましょう」  グレンシアは俺の緊張を和らげようと、手を止め話しかけてくれるが……俺は気付いた。男性経験のない俺がこのまま最後までいったら絶対お尻が痛い奴だし、そんな状態は恥ずかしすぎる。 「無理だ、ごめんっ!」  俺からの拒絶を受けたグレンシアは一瞬だけ悲しげに瞳を揺らした。けど、彼は俺の上から退くと、脱いだ俺の服を軽く畳んで手渡してくれる。 「今は、諦めます。ですが私は、直哉さんと少しずつでいいので……していきたいと思っています」  グレンシアは俺を尊重して行為をやめてくれた。という安心感からかグレンシアの言葉に頷いてしまう。しかし、それは大人の関係になりましょうというお誘いだ。それにも関わらずなぜ頷いたのか! 俺は自分の行動に混乱した。  その後、自分の部屋に戻り寝るまでの記憶がない。気付いたら自室で目が覚めた。いや、確かあの後……混乱したまま言い訳しつつ部屋を出て戻ってきたような? かなりテンパっていたのは思い出せた。    いや、待つんだ。昨日の夜さ、グレンシアと恋人になる約束をしたって事か? グレンシアのあの性格でセフレだったら本当にショックだ。見損なうも……って、俺はグレンシアと恋人になる事を期待している!?  いや、無理だよ!?  だ、ダメだ! 考えてたらおかしくなるぞ!

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