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第32話 恋人記念にはじめてを贈ります② ※あいじょういっぱいはつえっちぃ
「グレンシア……」
「魔法、掛けますね」
とろけた状態の俺にグレンシアは痛みを感じないよう魔法を掛けてくれた。
魔法が効いているから、例え激しくされても怪我はしないし痛みも感じないのだろうけど、グレンシアは変わらず優しく触れてくる。グレンシアは俺の下着を脱がし、一糸まとわぬ姿になった俺の脚を持ち上げる。
「っ!」
「大丈夫です。ゆっくり進めますから」
怪我をしないと言っても限度があるのだろうか?
「っあ……ん」
さっき、感度が高まる魔法も掛けられてしまった?
未経験の指の感覚に快感が走って頭がぼんやりしてしまう。くにっと柔らかくかき混ぜられて、じれったい感度が逃げる事すら許さず何度も体を跳ねさせる。この体がビクッとする感じは、イっているのだろうか?
与えられる快楽に何度も体を無意識に震わせる。連続でイっているとか、グレンシアにバレていたらかなり恥ずかしい。
「んっ……あっ……ああっ」
「声をもっと聞きたいです。……抑えないで下さい」
「む、無理だって、そんなのっ! んあっ!?」
グレンシアの手付きが少しだけ乱暴になる。感度が一気に上がって、声を抑えるのに必死だ。こんな恥ずかしい状態で、さらに声まで上げたらもうまるで女の子だ。
「んっあっ……はっ! んっ!」
「声を抑える事に必死な姿も愛らしいです」
「ひゃ!?」
変な声出た。
グレンシアが落とす愛の囁きは声という耳への愛撫だ。そんな事をされたら、気持ちが高まってイってしまう……。もうむりと、イキそうになっていたらグレンシアが手を離した。すごくいいタイミングだったので、俺は体をよじらせて残った快楽に耐える。
ちょっと涙目でグレンシアの様子を窺えば、服を脱いでいる。ほ、本番を始めるのか!
「グ、グレンシアの……そのっ」
魔法が掛かっているとはいえ、普通にね。デカいんだけど。
入るのか? 痛くない、怪我しないって、本当なんだよね?
「ほ、本当に痛くない?」
「乱暴にしなければ大丈夫ですよ」
「ちょ……と、こわい……」
「少しでも痛かったら言って下さい。直哉さんが辛かったら、すぐにやめると約束します」
それはなんというか、我慢してくれるって話だ。それがどんだけ辛いかってのは、言うまでも無く。そ、その時は手でも口でも……痛くない所で頑張るし! グレンシアを、信じよう。
「わ、わかった……」
俺は自分の脚を両手で持ち上げて、脚を広げた。このどうぞって感じのポーズはむっちゃ恥ずかしい。が、何も自分からはしないとかよくないだろ。
俺が誘ったんだから、俺も積極的になってグレンシアに楽しんでもらいたいというか。贈り物なわけだし、いい思い出にしたいんだ。
このポーズで涙目に上目遣いという、我ながら恥ずかしさのコンボなんだけど、それに興奮してかまた大きくなったグレンシアのそこにやっぱりビビる。
「グレンシアっ」
俺の中にずんっと沈んでくる感覚……嫌だと言いたくなるけど堪えた。注射だって、する前は怖いけど、してしまえばどうという事は無い。
「っは……」
「全部入りました。痛くないですか?」
「だ、大丈夫……。なんか、めっちゃぬるってしてるんだけど」
「痛まないようにする魔法の効果ですね」
なんか、ファンタジックなのを想像してたんだけどさ、普通にローションまみれになる魔法なの? さすがにアホな質問過ぎて訊けないけど、確かにケガの予防にはなるよね!
とはいえ、初めてでこのスムーズさはローションじゃない魔法の効果やグレンシアの腕前も影響しているのかもしれない。
少し安心して思考していたんだけど、グレンシアが動き出してまたビビる。
「う、うわっ……んあっ! ま、まて、まって!」
「痛みますか?」
「そうじゃないんだけど、こっ心の準備が!」
グレンシアはふっと微笑んだ。
いい歳して、やだやだ言ってるのが恥ずかしい自覚はあるぞ。女の子じゃないんだから、心の準備なんて何もないだろうと、わかるぞ。でも、この状況では、ほぼ女の子状態なんですが!?
「いくらでも待ちますよ」
「え……」
「私は気持ち良くなりたいんじゃなくて、愛し合いたいんです」
「……」
そ、そうか……。経験ないしエロゲーのやりすぎで失念していたけど、愛し合うってそういうもんか!
目から鱗過ぎるよ!
グレンシアは俺の額にキスを落とした。ただ愛しいのだと、瞳で語る。こんなに愛されてしまったら、もう後戻りなんてできないような気がした。グレンシアが途中で豹変しても愛情の沼に落ちるだけだ。
それは怖いような、不安なような。でも、信じる気持ちしか持つ事が出来ない。これが愛なのだと知った。
「これ以上、惚れさせてどうするつもりだ……」
「直哉さんのすべてが欲しいです」
そう言い切って、俺に笑顔を見せた。そんなグレンシアと繋がっている事に幸福感を感じる。生まれて初めての経験がこんなに愛情いっぱいで俺はどうすればいいんだ。嬉しいけど、頭や心が一杯いっぱいだ……。気持ちが溢れだしそう。
グレンシアはゆっくりと動く、俺の様子を見ながら慎重に進めてくれる。俺はもう何も言えないで、グレンシアの顔を見ながら自然と喘ぎ声を溢し、ぼーっとしている。余計な事が考えられなくて、瞳にグレンシアしか映らなくて、ただ夢中で見つめていた。
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