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第50話 ラスボスと最強従魔➁

 やっと、一息付ける……のだが、問題が発生した。  むぅが怯えて俺の頭から離れてくれないのだ。むぅが居るからと旅の準備もしていないし、着の身着のまま状態で近くの街まで歩く事になってしまった。 『うわああん……こわいよおお……』 「戦場に連れ出したりしてごめんな、むぅ」 『あるじぃぃぃ……』  徒歩だと、王都まで1週間以上かかる。馬車に乗るとしても3日だ。話し合いの結果、近くの街で宿を取りむぅが安心するのを持つ事になった。 「むぅ様、綺麗なお姉さんが可愛がってくれる酒場へ行きましょうか? すぐに安心できますよ!」 「エルド、馬鹿なのかお前……」  アルテッドに呆れられている様子からして、本気で言っているのだろう。エルドは女性が好きなのかな? まあ、元の世界だとその方が普通……俺だって、女性が好きだしな。でも、そうなるとエルドはアルテッドをどう思っているのだろうか? 「なっ! お前は余計な事を考えなくていい」  いや、考えちゃうもんは考えちゃうし!  ちょっと照れている風に不機嫌な所を見ると、アルテッドは絶対に……。 「おい!」 「だ、だって!」 「アルテッド様と直哉様は仲が宜しいんですね」 「あ! エルド!」  俺は思い出した。エルドと話せる機会があれば、なぜ俺がWomanになっていると気が付いたのか、訊きたいと思っていた。けど、ここで訊いても教えてくれないかもしれない。 「エルド、話があるからさ、街に着いたら散歩へ付き合ってくれないか?」 「英雄様の頼みは断れないですからねぇ」 「……!」  く、空気が!?  グレンシアが冷たい目をしている事に気が付いた。  アルテッドも俯いてしまったし、それこそ……これは2人きりの時に約束しないとまずかったのかもしれない。いつも考えなしだな、俺っ! 『あるじぃぃぃ、こわいよおおおっ』

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