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第66話 俺はエロゲー制作者② 『エルドSIDE』 エルド×アルテッド ※ふぇらえってぃ

「このように、私が裸なだけで慌てるお前は、私の何だ?」 「婚約者……です」 「私に、触れて来ないのはお前の愛情だと知っている。それでも、婚約しておいて、毎晩寄り添い眠るだけなのはおかしいだろ!」 「アル、とりあえずバスローブを……」 「うるさい! 私を抱け!」  アルテッドは俺の膝に乗ると、背に手を回し抱き着いてきた。  こんな可愛らしくおねだりをされて、平常心で居ろと言う方が無理だ。それでも怖くて、抱きしめ返す事を躊躇う。そんな俺の心を見透かし、アルテッドは俺の顔を見た。 「怖いとはどういう意味だ」 「俺、男性を抱いた事ないんですよね」 「……怪我でもさせると思っているのか?」  女性経験ならありますし、きっと同じようなものなんでしょうけど……でも。  アルテッド様より大切だと思って抱いた女性なんていないんですよ。ここまで大切だと、抱く事すら怖い。もちろん、臆病な自覚はありますけどね。それでも、この世で一番大切な人との夜は、寄り添うだけで精一杯ですよ。 「お前は私を一生抱かない気なのか!?」 「いや、さすがに一生ではないですけど」 「どうでもいい女を抱いておいて、私を抱かないなどと納得できるか」 「俺の心臓が持たないですし」  アルテッドは俺の膝から降りた。俺の前に立つ彼の姿は絶景だ。  細身で、程よく鍛えられた体だが、太ももや二の腕には柔らかそうにハリがある。肌はきめ細やかで美しく、若さゆえの瑞々しさに男としての欲が駆り立てられた。 「……そう思っているのなら、私を好きにしろ」  彼は俺の前に膝を着いて、片手でバスローブをめくり上げる。興奮した状態の俺のそれが露わになると、ちゅっと音を立て、キスをした。それを受けて、俺のそれはさらに大きくなってしまう。   「ふふっ……」  アルテッドは何を思ったのか、髪の毛を摘まむと筆のようにして俺をくすぐって来た。 「っ!? そ……っそれはやめて下さい!」 「たまらないのだろう?」  アルテッドの髪は猫のように柔らかく、先端でそっとくすぐられる気持ち良さは耐え難い。 「っあ!」    彼は、髪から手を離すと、俺のそれを口に咥え込んだ。……ここまで、煽られてしまえば止める事など出来ない。抑えていた欲に火がついてしまいそうで、自分の自制心へ必死に縋った。  欲に身を任せれば、乱暴な抱き方になる。アルテッドの気持ちを無視した抱き方はしたくない。 「……どんな抱き方でもかまわない。エルドに愛されるのなら、受け止める」   「アルがこんなに欲しがるのなら……怪我をせず痛まない魔法を作ったのは正解でした」  ただの裏設定だ。仮想現実を作る時、気まぐれでプログラムした。それだけの魔法だった。

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