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第52話

やっと佐々木からの連絡をとれたのはもう本当に暮れも押し迫った日だった。 「やっと帰れるよー」電話越しに話しなんて本当に久しぶりだ。 その様子は疲れきってるよう。 「お疲れ様」数日ぶりに話せたというのに。 平凡的な労いの言葉しか出ない。 「明日帰るから。」そんな事を言われたが、浮かれすぎてるのか、「おい?聞いてる?」 電話越しの佐々木の声にびっくりした。 「えっ。」 「だから。明日帰る。会社に報告によるけど、山崎。勤務何?昼勤?」 「あっ。いいや。深夜」 「えーゆっくりできないじゃん。」不満な声があがる。 「しょうがないのよ。」そう。しょうがないのである。そのあたりは佐々木も充分にわかってるであろうが…… 「わかってるけど。ゆっくりしたいじゃん。」 せっかく会えるんだから。。。 「うん。ごめんな」優しく山崎が答えると 「いや。お前のせいじゃないし。あーいいや。頑張れよ。」とりあえず、明日帰るから。そう言って電話は切れた。

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