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第51話
このまま会えないまま、新しい年を向かえるのはちと寂い。しかし、どうにもこうにもならない。猫の手をかりたい、とはまさに今だろう。
会いたい。声を聞きたい。とおもえば思うほど空回りばかりで、山崎は佐々木の声を聞くことさえできないでいる。
そのころ佐々木は一刻も早く帰れるようにと馬車馬のように働いてた。
もうそろそろ新年の準備と言うところで、またあの上司に「あー山崎!」ちょいちょいと手招きされる。
「なんですか?これから会議なんですけど?」
ぞんざいな返事をすると、俺もよ?という顔と手に持っていた、書類の束を見せられる。
「佐々木、もうすぐ帰れそうだから」な?
そんな顔をされても……
会えないし……もう画面越しに合うのは飽き飽きしてきた。
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