22 / 58
第23話
「んー!」椅子の上で軽く伸びをする。
午前中に佐々木から話があるからと言われて
山崎は今、一生懸命に仕事をしていた。
一生懸命って言うとおかしいかも。でも
頑張ってやらないと遅くなることは確実である。このところ、かなり帰宅時間が遅かった。
アパートが近いこともあるかもしれないからかもしれないが。。。今日は、早くおわらせないと……
「今何時?」パソコンの画面をみると15時。
「ん。……なんとか、19時くらいなら平気かな?」佐々木に連絡しようかと思ってたら、社内メールがきた。この類いのメールはイイ知らせではまずない。
「げ!まじかっ!」
案の定、午後、会議のお知らせだった。
気分が一瞬にして、萎えた。どうしよう、かと少し迷うが。
佐々木のことも後回しにはしたくなかったし、
休憩をとるついでに連絡をいれてみようかと
思い、休憩室に歩いていった。
何度目かのコールのあと
「はいよ。」と軽く電話にでた。
今、平気か?・・・・・ん。大丈夫よ。どうした。
「いや。ちょっと午後、会議が入った。今日は無理だな。」そう告げると
「……そっか。」
「ん。ごめん。」
「・・・・・」
「佐々木?」
「・・・・・」
「佐々木?」
「あっ。……ごめん。」
「いや。こっちこそ。ごめん。」
「……ん。」なんだか考えてるようだ。
「また、今度でいいか?」そう、聞くと
「いや。お前、今何してるの?」と聞かれる。
……お前と電話してるんだけど。
そんな事じゃないよな。と気をなおして
「データ整理中」と言ってみる。
……また、電話の向こうで考えてる。
「今、ちょっと平気か?」
「今?」
「そう。今。」なんだか押し迫ったような感じがする。怖いかも。・・・・・なんの話なんだろう。佐々木の様子にちょっと怖くなってきた。
「うん。大丈夫だけど・・・どうしたんだよ。」
ドキドキが止まらない、
じゃ。ちょっと下まで降りて来てと頼まれた。
ともだちにシェアしよう!