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第25話
話がおわって、爽やかに帰る佐々木とちがい山崎は足取り重く、部署にかえった。
机にむかうと「はぁ~」とため息がもれる。
……考えろって……俺の気持ちは決まってるんだけど。ややこしい事になってしまった。
「どうした。山崎。」上司に声をかえられる。「あっ!いや……なんでもないです。」
「なら、いいけど。急に会議がはいっちゃって悪かったな。」仕事の話をされて、そうだ!とあわてる。
「いえ。会議って、なんの会議ですか。」
「あ~。工場のね。ラインをいれかえるってだだろ?」
あーそういえば。新車のラインのテストラインを作るから、ちょっと人事的に移動するって言ってたな。と思いだして、それか。とおもった。
もう、ほぼ決まってるからいつから移動するのかって事かな。と段々と新しい事に向かって動きだしている。じゃ。あとで。と上司は帰っていった。が……山崎は……まったく関係ない事をぐるぐると考えていた。
午後、会議を終えると山崎は佐々木に連絡をする。2コールくらいで出たため、びっくりした。
「お疲れ様。今会議終わったんだけど。」と告げると、知ってる。と言われる。
こいつは超能力者か。と思っていると、
「まだ、工場だよ。会議にでてた人が帰ってきたから。」愉快そうに種明かしをしてくれた。
「なんだよ。」
「もう。終わり?」
「うん。お前は?」
「お前を待ってたんだから、山崎が終わりなら俺も終わりだから。」
「……じゃかえろうか。」
「おぅ。じゃロビーな。」と返事をしてくれた。
山崎はさっき言われたことの返事をしようとおもってた。
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