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第29話
暑い季節が終わって、体感的には大分
過ごしやすくなった。と同時に本格的に新車の開発にかかることになる。
それにともない、佐々木がこちらにくる回数が増えてきた。
嬉しいは嬉しい。が。。。。。。
山崎は、忙しくなり、中々佐々木に会えなくなる。
約束をしてても、仕事が終わらなかったり、
違う事を言い付けられたりと。
佐々木も山崎に会いたかった。が。どう見ても
忙しい山崎にはワガママは言えなかった。
時々メールをしたり電話をしたりはするが
やっぱり寂しくかんじる。
何度かのすれ違いをし、やっと食事の約束を取り付けたのは、佐々木が寮にくる数日前だ。
「寮っても、全部引っ越すわけじゃないから、寝るに帰るかんじだよ。」
いつもの食事屋でビールを片手に食事をしながら、ぼそぼそと愚痴っぽく言ってきた。
「そうなんだ。でも長くなったら。どうするんだ?」
「んーどうしようか?」クスクス笑ってる。
「どうしょか?じゃなくてさ。」山崎が心配してるのに、当の本人は知らぬ顔だ。
・・・まーなんとかなるでしょ
と言った感じ。
「それよりさ。久しぶりなんだから楽しい話しようよ。」笑いかけてきたが、
「楽しい話なんて、ないけど。」
山崎はピシャリといい放った。
なんだよ。……佐々木は心底がっかりした。
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