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第42話

佐々木に言ったところでどうにもならないのは山崎にもわかってたし、佐々木も忙しいのは知っていた。 でも……本当にゆっくりできる時間がなくって、少々愚痴ぽくなってしまったのは、どうしようもない。 「ごめんね……佐々木に言ってもどうにもならないんだけどね。」 実際、山崎の立場を決めたのは、佐々木や山崎よりもっと上の上役達だ。 「いや。でも……俺ももうちょい、お前をフォローできたかも。しれないし。」 「…………佐々木が気にするなんて、おかしいよ」 本当はこんな事を言うために寄ったんじゃないから…… 「顔、見たかったんだ。」 これが本音。 なんとも言えない気持ちになり、あやうく手に持っていた、缶コーヒーを落としそうになった 佐々木は 「……///お前は。俺をからかって楽しいのかよ。」 「そんなんじゃないよ。」 その声のトーンは明らかに元気がなかった。 山崎のそんな声を聞いた佐々木は切なかった。 顔が暗かったのか、山崎が 「ぞんな顔みにきたんじゃ、ないから。」 手を伸ばして、肩をポンポンと叩いて、少し笑った。 「ん……」 佐々木は答えられずに困ってしまう。 「ならさー元気ちょうだい。」 突然、何を言い出すんだ。こいつは! その思いが、顔に出てしまったようで山崎に、笑われた。 「先に帰ってて。今日。俺遅いんだ」 その言葉とともに、渡されたのは、チャリんと鈴がついた、部屋のカギだった。 「おかえり。って言ってくれたら、俺……元気になるんだけどな。」 少し、下からの上目遣いで、ダメ?って。。。 おねだりをされた。

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