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第44話
何食べたい?
と聞いた佐々木に対して、山崎の返事は、意外にも「カレー」。。。
……なんで?
……新婚かよ。などと自分自身にツッコミをいれながらも足取りはいたく、軽い。
「なんだよ。俺。」恥ずかしい。。。
急に、我に返ったのか、駅の改札に電子カードを、ピッと通したあたりで気がついた。
山崎の部屋を訪ねるのは久しぶりだ。
「相変わらずキレイだなー。性格だよな。」
などと感想を言いながら、おじゃまします。と控えめな挨拶と一緒に入って……
「ん?」部屋の違和感に。
「あれ?ない。」
以前はあったベッドがなくなってる。
……俺はベッドの方が好きなんだよなー床だと背中痛くないか。。山崎。。。
色々、卑猥な事を考え、ニヤけてる。
「あっ。カレー作らないと。」カレーの事を思いだし、一端卑猥な妄想はおいとく。
いい香りが部屋の中を満たしたころ、山崎から連絡が入った。
「できた?」携帯の画面をみながらやはり、ニヤニヤしてしまう佐々木はすばやく、「できたよ。」と連絡をする。
「んじゃ、帰るわ。」
……って。なんとも不思議な人だ。
出来てなかったらまだ仕事を、するのか?とかいろいろ考えてしまうが。
とりあえず「了解」とだけ返事をかえした。
「ただいまーカレー!カレー」とおかしな歌を歌いながら山崎は帰ってきた。
「おかえり。お疲れ様。手洗ってな。」とお母さんみたいな事を言う佐々木を無視し、山崎はカレーの入ってる鍋の蓋をあげながら、
「いいじゃん。いいじゃん。」……上機嫌である。
「お前が料理上手で俺は嬉しいよ。」。そして
ん〰‼と抱きついて、キスをしてきた。
そのまま少し、深いキスをし、離れるとどちらとも照れるのがわかった。
その感覚になれてない佐々木は
「早くカレーたべよう。」照れて気が利いた事が言えない自分をごまかすように、山崎に言った。
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