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第12話*
葬儀から帰ってきてすぐに、宏実は必要な小道具を手元に集めた。そこまでマニアックなことをするつもりはないけど、念には念を入れておきたい。
絶対に逃がしたくないから。
「…………」
そして深夜。宏実は綾人の部屋に向かった。音を立てずにそっと忍び込み、念のためにドアに鍵をかけておく。
サイドランプのみが灯っている暗い部屋で、綾人は就寝していた。宏実が入ってきたことに気付く気配もなかった。どうやらかなり深く眠っているらしい。
「……ごめんな、綾人」
許してもらおうとは思わない。自分はそれだけ身勝手なことをしようとしている。
ならばせめて、この行為が始まる前に一言謝っておこうと思った。
もっとも、その謝罪でさえも自己満足でしかないのだが……。
「ん……」
ベッドによじ登り、綾人の掛け布団を剥ぐ。彼が寝巻にしていたのはパジャマでもジャージでもなく、白いバスローブだった。日本ではセレブしか着ていないようなイメージがあるが、海外ではこれが普通らしい。
腰紐を解き、襟元を割り、素肌を露わにする。顔の肌が綺麗だから首から下もきっと綺麗だろうと思っていたが、これは想像以上だ。思わず生唾を飲み込んでしまった。
薄暗い中でも輝いているような白い肌。胸元にポツンと浮かんでいる突起は上品な薄ピンク色で、鎖骨の形も美しく色っぽい。手触りも陶器のようになめらかで、無駄な体毛がほとんどなかった。鳩尾から臍にかけて綺麗な縦線が入っているところが、またセクシーだ。
宏実は早速、用意した紐を綾人の両手首に巻き付け、ベッドの柱に固定した。なるべく痕がつかないよう、できるだけ緩めに縛っておく。
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