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第18話*
(……って、誰だよ! 俺の綾人を食おうとしたヤツ!)
心の中で嫉妬していたら、綾人は自ら脚を開いて足首を腰に絡めてきた。
「でも宏実ならいいよ。他の人だったら困るけど、弟のやることなら許しちゃう。こんな僕でいいなら、好きなだけ味わって」
そんなことを言われたら、ますます自制が利かなくなるだろうが。
この魔性兄貴……と毒付きつつ、宏実は止まっていた腰の動きを再開した。
「はあぁっ……ああ、あ、あぁん」
やや掠れた声で甘く啼いてくれる綾人。目元を上気させ、官能的な汗をしっとり滲ませ、濡れた目でこちらを見上げてくる。見るからに気持ちよさそうだった。
(綾人の中も、すげー気持ちいい……)
熱くて柔らかくてとろとろに溶けているのに、時折きゅうっと引き締まる。綾人の体温に包み込まれている感覚が、眩暈がするほど心地いい。まるで熱い蜜壺の中にいるみたいだ。
「んうぅ……っ! あ……だ、だめ、ひろ……もうイっちゃ……」
「……俺もイきそう。中でいいか?」
「いいよ……いっぱい出して……!」
誘うように、綾人が下腹部に力を込める。
欲望を引き絞られ、とうとう宏実は全ての熱を綾人の中に注ぎ込んだ。
「ああぁ……っ!」
腹の間の綾人も弾け、ほとんど二人同時に上り詰める。
その後、大きく二、三度腰を打ち付け、ようやく宏実は己を引き抜いた。そしてゴロンと綾人の隣に横になる。
本格的なセックス(しかも男相手)は初めてだったのでさすがに疲れた。机の前で五線譜と睨めっこばかりしてないで、たまには運動しないとダメかもしれない。
そう思いながら息を整えていると、綾人が手を伸ばして髪を撫でてくれた。
「お疲れ様、宏実。すごくよかったよ」
それはこっちの台詞だけどな……と宏実は思った。
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