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28 落とし前っていうかご褒美※

片瀬が俺の上にのしかかり、至近距離で見つめ合う。 え?始まるのか…? ここで!? 「ちょ、ちょっと待ってくれ。 ここでするのは、流石に…、その…」 ベッドに縫い付けられている手に力を入れて振り解こうとするが、びくともしない。 「こんなふうに自分より力が強い男に押し倒されたら動けないのに、なんでホイホイついて行くんです?」 「は!?ハチはそんなんじゃないって!」 「逆に聞きますけど、俺が元セフレと2人きりだったら、三上さんだって疑うでしょ」 片瀬の元セフレ…? 想像してみる。 きっと、美人で若くて、俺なんか比べものにもならないだろう。 もちろん、浮気は疑うだろう。 でも、そうなれば俺は譲るだろうな。 片瀬のことは後輩として、人として、好ましく思うし、幸せになって欲しい。 こんなおっさんで発散したくないと言う気持ちもわかるし、縛るのは俺のエゴだ。 「疑いはする…」 「なんすか、その含みのある言い方は。 気持ちが分かるならやめて下さい」 「おう…。じゃあ、この話は終わ…」 なんとか、落とし前キャンセルエンドに行けそうだと思い、舵を切ってみるが、着ていたスエットを捲り上げられた。 「ちょっ!?」 対抗しようにも、重ね着をしたシャツやらヒートテックやらが腕に絡まって自由を奪われる。 「寒いですか?いつもより触りやすい」 「ひっ!?」 すでに立ち上がっていた胸の飾りを、片瀬の冷たい手が弾き、体がびくりと動いた。 「すみません。手、冷たいですよね」 そう言って、今度は食まれる。 温かくてぬるぬるした片瀬の舌に舐られて、俺は早くも快感を拾う。 25歳のαの性欲は強くて、会うたびに体を重ねているため、俺の体は前に増して敏感になっていた。 「やっ…、やだぁ…。昼からコテージでやりたくないってば! 皆、帰ってきちゃ…うぅ…」 さっきの段階で、恐らくみんなは昼飯を食べていないと思う。 もしも、昼のタイミングでコテージに帰ってきたらどうしよう… こんな時間にみんなで泊まる施設で盛ってるなんて、バレたくない。 「とか言って、いつもより感じてません?」 手の甲でするりと俺の完勃ちしたそこを撫でる。 俺は羞恥で目が潤む。 「お前のせいだろ!」 キッと睨むが、片瀬は「夜、このベッドで寝たいなら煽んないでください」と全く気にしていない。 するりとズボンを下ろされ、俺のソコが空気に触れる。 雪山とだけあって、部屋の中は寒く、先走りで濡れたソコはスースーした。 「暖房が効くまでは、こっちも寒そうすね。 風邪引かないように温めますね」 そう言って片瀬は、俺のペニスを咥えた。 「やぁっ!?温めなくていい! やっ!あっ…、うぅ」 気持ち良くて、早くも達しそうになる。 出してしまうととても疲れるから、午後のことを考えれば出したくない。 「やめっ…、午後動けなくなるからぁ」 半泣きで訴えるが、「あいつがいる場所に三上さんを行かせるわけないじゃないすか」と言い、吸い上げる。 俺は絶叫しながら吐精した。 余韻でビクビクしていると、俺の精を手に出し、後孔をほぐし始める。 「まっ…、え?最後までするの?」 「三上さんがエロいせいで、俺も治らないんで」 太ももに硬くなったソコを押し付けられる。 乗り気じゃなかったはずなのに、番のペニスを押し付けられると、早くソレでかき混ぜて欲しいと俺の中が疼いた。 「あ…、早く、片瀬の欲しい…」 「…」 「いっ!?」 無言で俺を睨んだ片瀬は、首に噛みついてきた。 力加減をしておらず、めちゃくちゃ痛い。 が、俺の頸はゾクゾクと期待に震えた。 「も、欲しいってばぁ」と、自分でも耳を塞ぎたくなる甘ったるい声が出た。 「ほんっと、許せねぇ…」 片瀬が耳元で低く唸ったかと思った瞬間、待ち望んでいたソレが深く俺を穿った。 「あああっ!?」 俺は絶頂し、ぎゅうぎゅうと後穴を締める。 熱くて、触れている部分が溶けそう。 「ちょ…、締めすぎ」 余裕のない片瀬の声に、俺は更に興奮してしまう。 そこからは互いに貪るように事に耽ってしまった。

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