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33 痛み※
いつも何の疑いもなく、同じ布団で寝ていたけど、ゲストルームがあるなら、俺はそこで寝るべきでは?と一瞬悩む。
洗面所で突っ立っていると、片瀬が「寒いんですけど」と文句を言いに戻って来た。
「あ、うん」
俺は、吸い寄せられるように片瀬の寝室に向かった。
1人で布団に入ると寒いからと怒っているんだろうけれど、体温が高いのは片瀬のほうなので、どちらかというと俺が暖を取っている。
寒いって怒られるのは不本意だな。
さっさとベッドに入った片瀬の横…、から少し距離を置いて、ベッドの端に入り込む。
こないだまでは、「片瀬は暖かいな~」とか言って抱き着いていたけれど、冷静に考えて、抱き着いて来る自分より12歳も上の男…、怖すぎるな。
「さっきから寒いって言ってるんだけど」
不機嫌ゆえ、ため口になっている片瀬。
「えっと…、暖房でもつけるか?」
俺がそう言うと、「はぁ…」とため息をつかれて、「もっと効率いい方法知ってるくせに。今日の三上さん、むかつく」と言われた。
俺は意を決して、肩が触れるくらいの距離まで近づいた。
「こ、このくらいなら温かいか?」
恐る恐る聞くと、「全然足りねぇ」と舌打ちされ、片瀬が俺の上にのしかかってきた。
足も腹も片瀬に触れる。
奴の体は熱いくらいに熱を持っていた。
全然、寒そうじゃないじゃん!と思ったのも束の間、熱い口に唇を塞がれた。
このままじゃ、絶対するじゃん。
ヤったらグズグズに甘えてしまうし、今までの自分のことを思い出すとヤバすぎて、するにしたって一旦冷静になりたい。
ぐっと、片瀬の肩を押すと唇が離れた。
「やっ…、やめ…」
片瀬と目が合い、一旦待ってもらおうと思ってそう言おうとしたが、息が上がっててうまく言えない。
「っは…、うざ」
片瀬はそう吐き捨てると、肩についた手をベッドに縫い付けられた。
αの力っていうのは凄くて、片手で両手を封じられてしまい、唇を貪られながら、空いた手は俺の体を這い回る。
「んっ…、んん!やっ…」
息継ぎの合間に訴えても止まるどころか、さらに激しくなる。
解放される頃には肩で息をするくらい息が上がっていた。
その間に、上の服は捲り上げられ、パンツごとズボンも下ろされた。
確認しなくても分かる。
俺、勃ってる…
「無理やりが好きなんすか?」
片瀬が意地の悪い顔をしながら、俺のそこを掴む。
それだけで気持ち良くて「あっ」と小さく喘いでしまった。
「ちがっ…う。片瀬にされると、無理矢理でも気持ちよくなる…」
「無理やりねぇ…」
片瀬は冷たい顔でそう言うと、俺のそこを咥えた。
「は!?やめっ!!そんなとこっ…、あぁ!?」
何度か、フェラをされそうになったことはある。
その度に「恥ずかしいからそれだけはやめてくれ」と断って来た。
今までは、聞いてくれてたのに…
その間に後孔も弄られ、俺は吐精を何度かしているのに、片瀬はやめてくれない。
片瀬のが欲しい…
でも、俺みたいなのがおねだりするのは気持ち悪いよな…
「して欲しいこと言わないと、ずっとこのままっすよ?」
俺が出した精液を口から出して俺の腹にかける。
最悪…
「…、やめよう?今日はやりたくな…」
そう言いかけた瞬間、すごい力で乳首を抓られる。
「い"っ…!?やっ、やめて、乳首とれるっ」
体をバタバタさせながら、手から逃れようとする。
「酷くされるのも好きなんだ。まだ勃ってますよ?」
力を加えつつも、こねるように刺激され、また腰がはねる。
「今日の片瀬、怖い…」
ぐすぐすと鼻を鳴らしながら言うと、手が離された。
酷い扱いをされて、身体は反応しているが、心は痛くて半泣きだ。
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