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34 キモいとかエロいとか※

  「今日の三上さんも酷いと思いますけど」 片瀬が俺の後孔に熱いのを当てている。 早く入れて欲しいのに… 俺が泣きながら腰を揺らしていると、腰を掴まれて阻まれた。 「やっ…、なんでぇ」 「だから言ってくださいって」 「…、う…、ほしい」 「なにが?」 「片瀬のちんこ挿れてほしっ…、あ"あ"っ!?」 言うや否や、メリメリと音が出そうなくらい俺の腸壁を掻き分けて、昂りが入ってくる。   何度出したか分からない精を俺は再び吐き出した。 待ち望んでいたそれは、一突きで俺の思考を溶かしてしまう。 「あっ…、片瀬ぇ…、もっとぉ」 「素直になるのが遅いです。言われなくてもあげます。我慢してるのは秋さんだけじゃないんで」 「あっ…、名前呼んでぇ」 それから片瀬は俺を揺さぶりながら、名前を呼んでくれた。 「呼ぶたびにキュンキュン締め付けて来てますよ?秋さん」 と、楽しそうに笑いながら。 本当のことすぎて悔しい。 俺の記憶が正しければ、もっと、とか、好き、とか死ぬほど言った気がする… 甘えない宣言は一体なんだったのか… 寝覚めは最悪で、昨日の痴態はしっかりと覚えている。 「…、最悪」 そう呟いた声はガサガサだった。 「おはよ、秋さん」 語尾にハートがついてるんじゃないかってくらいご機嫌な様子の片瀬が寝転んでこちらを見ている。 胸から下は隠れているが、多分全裸だろう。 気だるそうな感じのせいか、めちゃくちゃエロい。 本当に顔がいいな。 なんでこいつ、俺の番なんだ? 「昨日の秋さん、嫌でした」 「名字で呼べ」 「自分から名前呼んでって言ってきたんじゃないですか」 「ヤってるときの男が言うことは信用しちゃいけないらしいぞ」 「へぇ?俺はセックス中だろうが全部本音ですよ」 「…、あのさ、その…、当分性交を控えたいんだけど」 意を決して言ってみたものの、数秒、片瀬の反応がなく、そちらに視線を向ける。  片瀬は笑顔で固まっていた。 「え…、あの、片瀬?」 しばらく様子を伺っていると「なんで?」と小さい声が聞こえた。 「なんでって…」 「なんで?俺、下手でした? なんか我慢してました? だとしたら、三上さん、相当演技派ですよ。 嫌なとこあったら言ってください、すぐ直しますし、次は絶対に満足させます。 回数が足りませんでした? 実は俺、セーブしてるんで本当はもっと…」 「ストップ!!」 怒涛の片瀬の言葉に思わず叫んだ口を手で塞いだ。 てか後半なんか怖いこと言ってた気がする。 「片瀬は悪くないんだ。俺の問題で」 「そんなこと言われても納得できません。 αが性欲強いのは当たり前ですけど、Ωだって強いはずですよね?」 「多分そうだけど…、もし、片瀬が欲求不満なら外で発散ってのも…」 若いαなんだから、よそで発散するのは仕方のない事だ。 俺がセックス中キモくて嫌われるくらいなら、全然そっちの方がマシ。 そう思って提案したんだが… 「は?」 片瀬の逆鱗に触れたようだ。 笑顔でめちゃくちゃ怒ってる。 時間を共有することが増えて分かったんだけど、片瀬はすごく怒ってる時、笑顔になる。 「いや、その、俺はお前と番になったから、よそは無理だけど…」 「当たり前だろ。番ってなくてもそんなの許さねえよ」 「で、でもっ、αは別のやつとも出来るし、俺と性欲の差があるなら仕方な…、ぐぇっ」 途中で片瀬に顎を掴まれた。 力強すぎる。痛い。 「寝ぼけてるなら、今すぐ謝れば許しますけど」 「寝ぼけてない…、です」 「どこの世界に、自分の恋人に他人とのセックス勧めるやつがいるんですか? 無神経も大概にしてください」 「ごめっ…、でもっ、セックスしてる時の俺、キモイだろ?無理しなくてい…」 「死ぬほどエロいの間違いでは?」 「エっ!?エロっ!!?」 「正直、あのエロさに当てられたら、他の奴なんて抱けませんけど」 「!!???」 待ってくれ… 何を言ってるんだこいつは… エロい?あれが??? 俺は混乱したまま、虚空を見つめていた。 痺れを切らしたのか、片瀬が俺を抱きしめ、耳元で「証明しましょうか?」と囁く。 無言を肯定と見なしたのか、日曜日は午前中いっぱい抱かれ、午後は休養という堕落した週末を送った。

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