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63 奥に※:追記

片瀬に手を引かれて部屋に戻る道中、仲居さんとすれ違った。 俺たち2人の顔を見て微笑んだ後、繋がれた手を見て「あらぁ」と口に手を当てた。 そこで俺は手を繋いでることを思い出して、手を振り解きかけた。 が、片瀬がしっかりと握り直したので部屋に戻るまで解かれることはなかった。 部屋に戻ると布団がしっかり並べられていて、その距離感に少し動揺した。 先に片瀬が布団の上に座ったので、俺はどこに腰を下ろそうかと悩んだが、片瀬が自分の膝の上を叩いた。 「それは無理だろ」 と思わず声が出たが、片瀬に引っ張られて上に雪崩れ込んだ。 「お前…、おっさんの体に気を遣えよ」 「だってこうでもしないと秋さんきてくれないじゃないですか」 それはそうなので、黙り込む。 「秋さん、俺と結婚してくれるんですか?」 と、本題を切り出され、俺は身を固くした。 「そう…、だな。 片瀬はいいのか?俺が相手で」 不安になって聞くと「当たり前じゃないですか」と片瀬が即答してホッとする。 「そうか…、まああれだ、末長くよろしく」 「はい!もちろんです!絶対幸せにします」 「うん…、それはもう叶ってるようなもんだけど」 実際、俺の37年の人生で今が1番幸せだと思う。 Ωなのに役職についていて、世間的にスパダリと言われるスペックのαが伴侶で…、ここが人生のピークと言っても過言ではない。 「いえ、こんな幸せはまだ序の口ですから、 楽しみにしていてください」 どこからそんな自信が?と思うが、片瀬なら本当にそうなりそうだ。 「ああ、期待している。 ところで…、お前…」 俺を正面から抱きしめている体勢だが、ケツに硬いものが当たっている。 「雰囲気ぶち壊しですみません。 でも、散々期待させられて、こんなに密着していて、しかも秋さんを社会的に縛れるってなったら流石にこうなりますよ」 「しばっ…、お前の結婚の表現最悪か!?」 「だって不安ですもん。 俺は在宅だけど、秋さんはほぼ毎日外に出るし、隙だらけで鈍感だし」 「酷い言われようだな。かつての上司だぞ」 「秋さんが俺のものになったって確かめていいですか?」 やけに熱っぽい目で見られて、『確かめる』の意味を知る。 詰まるところ、『抱いていいか?』と訊かれているんだろう。 それにわざわざ答えさせようだなんて、性格が悪い。 「勝手にしろ」と可愛げのない返事をする。 が、片瀬にとっては大して気にならないようで「はい!覚悟してください」と俺に笑いかけるとガバリと俺の浴衣が開かれた。 「はぁ!?」 突然、明るい部屋の中で浴衣を剥がれて、俺は目を剥いた。 おっさんの体を晒すな!!! 「おまっ、電気!!」 いつもは俺の強い希望で、ほぼ暗闇でする。 だって俺の裸体を見たら流石に萎えるだろ。 俺の抵抗なんてなんのその、と言った様子で片瀬は俺を組み敷く。 「ちょ、明るいの嫌だって!」 「照れてる秋さんも萌えますから大丈夫です」 「照れてるわけじゃない!」 照れるなんて可愛いものじゃない。 こいつは俺を辱めて殺す気か? それでも、胸の飾りを弾かれるとどんどん体の力が抜けて、俺もその気になってしまう。 俺の乳首を開発した男を謎に敵視していて、「上書きする」と日々執拗に弄られたので、さらに開発された気がする。 前よりも大きくなった気がするそこを片瀬は音を立てて吸う。 音を立てると俺が恥ずかしがるのでわざとだ。 「よくもこんなけしからない乳首で、インナーも着ずに浴衣を直に着れましたね」 「お前のせいだろ」と、涙目で睨むが 「そうです。俺がこうしたので、2度と他の男に開発されたとか言わないでください」と威圧された。 執拗に乳首を弄られ、俺は前からも後ろから粘液を垂れ流していた。 「も、下触って」と片瀬にお願いすると 「あー、焦らしたいけど俺が我慢できねぇ」と片瀬も浴衣を脱ぐ。 風呂でも見たけど、やっぱり片瀬の体は完璧で、立ち上がったデカいソレを含めて彫刻みたいだ。 これに抱かれるのかと思うと期待でけつが濡れる。 後ろを確認した片瀬が「あれ?いつもより濡れてません?解さなくても入りそう」と言った。 「そういうこといちいち言うなよ」と思わず声が出た。 「ふふ、でもさらに濡れてきましたけど?」と片瀬に笑われて口を噤んだ。 本当に生意気だ。 俺も限界だったので「直ぐに入れてくれ」とねだって、早々に片瀬が俺の中をゴリゴリと割り裂くように入り込んできた。 「きっつ…」と言って片瀬が眉を寄せて耐える様子がエロくて思わず見惚れた。 「ちょ、さらに絞めないでください。 いつもよりきついですけど、痛くないですか?」 と、限界のくせに気遣ってくる。 「いいから早く動け」と足を片瀬の腰に巻き付けると「秋さんのせいだからな」と、片瀬が遠慮なく俺を突き上げる。 「お"っ」と自分の口から下品な声が出た。 最悪だと思いつつも、内臓を下から直接突き上げるような衝撃に、声を抑えられない。 何度も奥を突き上げられ、最奥に精を吐き出される。 じわりと広がる熱が愛おしい。 「あ、中…」と俺が呟くと 「すみません。秋さんに種付けしたくて我慢できませんでした」と片瀬が眉を下げた。 「種づ…、お前…」 そんな直接的な表現するなよ… 「あわよくば孕んで欲しくて仕方がないんです。怖いですか?」 と、片瀬が捨てられた犬みたいな顔で親を見る。 重いけど、まあそこまで想ってもらえるのなら… こんなおっさん、執着してもらえるだけ幸せなことだろう。 「怖くねぇよ。捨てられるほうが怖いわ」 「捨てません! でも、怖くないなら良かった。 俺が空っぽになるまで奥に出しますね」 「は…」 怖い顔で俺を見下ろした片瀬。 復活したのか俺の中でまた大きくなり始める。 朝まで離してもらえなかったのは、いつもの通りである。

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