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第34話 成り変わりの婚約者6
3ー6 淫紋
「大丈夫、か?ルルシア」
アーキライトの声が遠くに響く。
「気分が悪いのか?」
アーキライトが僕の体を横抱きにして抱き上げるとそのまま建物の奥へと僕を運んでいった。
卒業パーティーは、王立学院の大講堂で開かれていて、アーキライトは、僕を抱いたまま大講堂の奥を抜けて外へと歩みでた。
夜の冷気に触れて僕は、ほぅっと吐息を漏らした。
冬の始まりの冷たい空気が僕の熱い体を冷やしてくれて心地よい。
僕は、ドレスが苦しくて胸元をはだけようとしたが、後ろでしっかりととめられていて寛げない。
もどかしくて涙ぐむ僕を抱いたままアーキライトは、足を速める。
アーキライトは、僕を抱いて寮へと入っていった。
そして、僕の部屋へと急ぐ。
階段を駆け上がるようにして最上階へと向かうと足で扉を蹴り開けて中へと入っていく。
「あなたは・・?」
クリナドが声をかけるのに答えもしないでアーキライトは、僕を寝室へと運び込みベッドへと横たわらせた。
薄暗い部屋に魔道具の明かりを灯すとアーキライトは、 僕のドレスを脱がし始めた。
アーキライトの冷たい指先に触れられて僕は、体を震わせた。
「ふぁっ・・アーキ、ライト・・」
「しっかりしろ、ルルシア。すぐに楽にしてやる」
アーキライトは、僕の着ているドレスを脱がせると僕の体を締め上げている下着を剥ぎ取っていった。
コルセットを脱がされて僕は、ほぅっと吐息をついた。
すべてを脱がされて丸裸にされた僕は、ベッドに横になったまま潤んだ目でアーキライトを見上げた。
「・・アーキライト・・僕、なんか、体が・・熱い・・」
アーキライトは、僕を見下ろして。
固まってる?
というか、息もしてない?
「アーキライト?」
僕が呼び掛けると、アーキライトは、ふはっと息を吹き返した。
「ルルシア・・」
アーキライトが僕の下腹部に手を置いてそこをそっと撫でる。
僕は、その感覚に思わず体を捩る。
「んぅっ!」
目尻に涙を滲ませている僕にアーキライトは、笑みを深めた。
「どうやら完成したようだな」
「何、が?」
僕がきくとアーキライトは、答えた。
「淫紋が、だ」
はい?
僕は、ぎょっとしてアーキライトを見つめた。
淫紋ですと!?
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