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第41話 成り変わりの婚約者13
3ー13 無理
「僕、が・・アーキライトのこと、を?」
「そうだ」
アーキライトは、僕の頬にかかる癖毛を指で払うと僕の唇にキスした。
「お前は、私を愛している。それが、いつも伝わってきた」
アーキライトは、僕の目を覗き込んだ。
「ほんとは、もっとはやく奪いたかった。そうしなければ、お前が他の誰かを愛してしまうのではないかと怯えていた。だが、私は、お前を簡単に奪ってしまいたくはなかった」
アーキライトが僕の頬にキスをする。
「お前を本当に愛しているから、私は、待つことにした。少しづつ私の気に慣らして、私の精を受けるに耐えられる肉体に育つのを待った。お前が1人で王都で暮らすことになったとき、ほんとは、お前のことを無理矢理にでも奪って私だけのものにしたいと思った」
僕の思考は、アーキライトの声に侵されてだんだん、ぼぅっとしてくる。
アーキライトが僕にキスをして。
軽く唇をはまれて僕は、堪らず熱い吐息を溢した。
アーキライトは、僕の頬にそっと触れた。
「でも、私は、我慢した。魔物ですら私の淫気には、耐えられない。人であるお前を守るためには、この、淫紋が必要だった。私は、遠く離れても、お前に気を注ぎ続けた」
僕は、アーキライトにキスされてぽぅっとなっていた。
ふわふわして、なんだか、落ち着かない。
もっと、欲しいような、もう、やめて欲しいような。
いや。
僕は、アーキライトの口づけに応じて舌を差し出す。
アーキライトの舌に自分の舌を絡ませて僕は、懸命にアーキライトを味わっていた。
「ふ・・あっ・・」
「お前がようやく私の精に耐えられる器となった頃、父上が私にこの国の王女を娶るようにと命じた」
アーキライトが僕の目尻にキスを落とした。
「父上の命令は絶対だ。魔王国にも、他のどの国にも父上に逆らえるものはいない。だから、私は、王女に頭を下げることにした。お前と成り代わって欲しい、と。そうすれば、私は、お前を本当の妻とすることが叶う」
「でも・・僕は、男だし」
僕は、喘ぎながらアーキライトに告げた。
「レイラス王女と入れ替わるなんて、無理、だ」
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