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第62話 愛とダンジョン6

 5ー6 貞操帯  「ど、どういうこと?」  僕がきくとアーキライトが横を向いて小さく舌打ちをした。  えっ?  舌打ち?  僕は、ぎょっとしてアーキライトを見つめていた。  「それより、さっきのはなしなんだが」  アーキライトが取り繕うように話し出す。  「私の頼みをきいてくれるなら、家に戻ることを許そう」  「・・頼み?」  僕は、なんか嫌な予感がする。  アーキライトは、笑顔で僕に何かの道具を差し出した。  「大したことじゃない、これを常につけていてくれたらいいだけだから」  僕は、アーキライトが差し出したものをまじまじと見つめた。  それは。  なんか筒のついた紐のようなものだった。  「何?これ」  僕がきくとアーキライトは、なんでもないことのように答えた。  「ただの貞操帯だ」  ただの貞操帯ですか?  僕は、身構えていた。  しかし、これをつけただけでこの洞穴から出られると思うと、仕方ないかと納得してしまった自分が悲しかった。  僕は、アーキライトの目の前で貞操帯を身に付けることを承諾した。  でも。  これって・・  僕は、その貞操帯を身に付けようとしたんだが、なんか、変だし!  前をおさめる筒の中には、妙なネバネバしたものが入ってるし、その、尻には、ボコッとした突起があるし。  「これ、何?」  僕がボコッとした突起を指してきくと、アーキライトは、にっこりと笑った。  「ルルシアのかわいいお尻を守るための栓だ」  栓?  ってことは、これ、僕のあそこに差し込むってこと!?  僕は、その貞操帯を手に持ったまま固まっていた。  アーキライトは、にこにこしながら僕にきいた。  「装着しないのか?」  これは・・  僕には、はっきりと理解できてしまった。  アーキライトは、僕を外に出すつもりはない。  僕がこれを装着することがないと思っているんだ!  実際に、僕は、躊躇していた。  こんな性具を使うなんて!  でも。  僕がここに閉じ込められてもう、かなりの時間が過ぎているし。  外のことが気になる。  特に、エリザベスちゃんのことが心配で。  僕は、意を決して立ち上がった。  

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