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第66話 愛とダンジョン10
5ー10 あげませんよ?
レイラスは、身なりを整えてから僕に王宮へと転移するように頼んだ。
「どうするつもり?」
僕の問いにレイラスは、にっこりと笑った。
「まあ、任せてくださいませ。ルルシアお兄様にも、私たちにもよいようにかたをつけてまいりますわ!」
僕は、レイラスを転移した。
牛舎の中に座り込んだままの僕にアーキライトがじれたように声をかけた。
「いつまでそうしているつもりだ?ルルシア」
僕は、アーキライトを恨めしげに見上げた。
動かないのではない。
動けないんだ!
少し身動ぎしただけでもその振動で僕の体がきゅんきゅん、感じてしまって。
僕は、涙目になっていた。
「ここで・・エリザベスの前で犯して欲しいのか?ルルシア」
エリザベスちゃんの前で?
僕は、ぎょっとしてエリザベスちゃんのことを見た。エリザベスちゃんは、その澄んだ黒い瞳で僕のことをじっと見つめていて。
というか・・
興味津々?
「い、いやだ!」
僕は、叫んだ。
「・・ここじゃ、いやっ!」
「ここでなければ、いいのか?」
アーキライトが僕の手をひいて無理矢理立たせたので僕は、悲鳴を上げた。
「あぅっ・・んっ!・・だめぇっ!動かしちゃっ!」
「なんで?」
アーキライトがとぼけるので僕は、アーキライトを睨み付けた。
知ってるくせに!
「動かしたら、いっちゃうから?」
アーキライトが僕の耳元で囁く。
それだけで僕は、びくっと体を震わせた。
「お前たち!」
急に声を発せられて僕は、びくんっと体を強ばらせた。その瞬間、僕は、体内の異物をぐっと締め付けてしまい、そのショックで軽くいってしまった。
「はぅっ!」
よろめく僕の体をアーキライトが支えるのを見て、魔王のおっさんが呆れたようにため息をつく。
「何、してるんだ?」
「何も?」
平然とアーキライトが答えると、魔王のおっさんが喚いた。
「何も、ってこいつ、いってるじゃないか!」
ばれちゃってるし!
僕がかぁっと顔を火照らせているのを見てアーキライトがくすっと笑った。
「かわいいでしょう?あげませんよ?」
「別に、もう、お前たちが何をしてようとかまわんがリリアの前ではやめてくれよ」
「あら?私がどうしたって?」
魔王のおっさんの背後から母さんが顔を出す。
「か、母さん!?」
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