48 / 61

第48話

 玄関の扉が閉まると同時に抱きしめられ、頬に涙が伝う。  扉に押しつけて乱暴に唇を奪われてしまった。舌を絡ませる力が強い。  性急な手はシャツの隙間を縫い、胸の突起に触れられると冷たさに肩が跳ねた。  「あっ、んん……あ」  爪先で抓まれ、ビリビリとした快楽が走った。脚の力が抜けてしまい立っていられない。  「あぁ、あっ、あっ……だめ、立てない」  訴えると天根軽々と抱き上げられた。かと思うと衣服を剥ぎ取られ浴室に押し込まれてしまう。  「天根? あっあ……んん」  コルクを捻るとシャワーの温水が降ってきた。水かお互いの唾液かわからないものを飲み込みながらのキスに夢中になる。  天根に性器を二つまとめて扱かれると簡単に果ててしまった。  二人分の精液をまとわせた長い指に尻の間を撫でられる。  顔を上げると有無を言わせない瞳と合い、晶はぎこちなく脚を開いて身体を預けた。  蕾を労るように何度も撫でられ、見計らうように指が挿いってきた。異物感が気持ち悪い。けれど天根に求められていることに全身が悦んでいる。  ゆっくりと中に進みながら押し広げられ、そのたびに苦しくて息を殺した。嫌がっているなんて思われたくない。  天根の指は奥まで進み、ぐるりと一周してからもう一本の指が挿いってくる。複雑に蠢く指は探るように慎重に進み、ある一点を押されたとき苦しさではないビリっとした刺激があった。  「なっ、これ……へん、やっ」  「ここですね」  何度もしつこいくらいに押され、そこから全身に甘美の刺激が走る。  苦しさはどこかに消え、気持ちよさを追いかけるように腰が勝手に動いてしまう。先走りが溢れ、床に落ちるのが欲を煽られる。  膝に力が入らなくなり崩れ落ちた。それでも天根は愛撫をやめない。晶の脚を肩にかけ、秘部を晒されてしまった。  「やっ、ねぇ……恥ずかしい、あっ」  指を抜き差ししながら性器を口に含まれる。同時の刺激に頭がおかしくなりそうだ。  抵抗しても、さらに快楽を与えられるだけで底しれぬ沼に落ちていく。  恐ろしいほど深い沼だ。気持ちよすぎて怖くて逃げたくなるのに、もっと溺れたくなる。ずぶずぶずぶずぶ。もがけばもがくほど与えられる欲の強さに耐えられず、涙がとめどなく溢れた。  あっというまに二度目の射精をし、一回目より長い絶頂の波にぶるりと身体が大きく震えた。  精液を飲み干した天根は口を大きく広げ、赤く膨れた舌を見せつけてきた。全部飲んだと示すその行動は体温を高くさせるのに充分だ。  「やっ、もう……あ、あぁ」  指が引き抜かれ、その刺激にすら身体が反応してしまう。  シャワーのコルクを止めて、乱暴にバスタオルで拭かれそのまま天根のベッドに寝かせられる。  上に覆いかぶさってきて唇を奪われながら蕾を撫でられ、さっきまで受け入れていたそこは簡単に指の侵入を許す。  弱いところをしつこいくらいに押され、脊髄に鳥肌がたつほどの刺激が走った。

ともだちにシェアしよう!