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第5話
「まさかの初日だよー! 負けたねくそ!」
「ふふん、シンは意外と我慢とかしないタイプだよ。今半のすき焼きが食べたーい」
「いや、でも仕掛けてきたのはユウの方だし……てか賭けんなよ馬鹿親父ども」
ユウは射精するだけしてバタッと眠り、スッキリと目覚めた後に青褪めた。
社長とシンの父親に出歯亀をされていた、というよりも声がデカかった為に丸聞こえだったのだ。
「それにしても、ユウの取り巻きがキツめの姉ちゃんなのはあれか、お前がマゾだからだったのか……」
「逆です。お姉さん達のファンが僕です」
「まじかよ……わかんねえ……」
「ねえ、すき焼きの予約明日で良い? 俺のオフ明日で終わりなの」
「それは俺とユウも食う権利あるよな?」
社長の肩に親子ががっしりと掴みかかる。
「シンはユウのドラム特訓を無制限でやってくれるならいくらでも食え」
「ふふ。わかったよ。今日も明日も明後日もうちでドラム叩けば良いよ」
「わ! 良いんですかぁ!? やったあ!!」
事務所の先輩に欲情して襲いかかり、その父親と、職場の社長にエゴマゾという性癖がバレてしまったダメージも一瞬でなかった事になった。
「お前は……とりあえず今日の仕事手伝えよ、バイト代は出してやる……」
「ひゃっほーう!! お供します!!」
「終わったらここに帰っておいで。続きをしよう」
「はい!」
ユウの首を捕まえて頬に口づける。
「いや、なんの続き……?」
「知りたいわけ……?」
「いや……知りたくないです……」
「でも、どうして賭けてたんです? シンさんと初対面ですよね?」
「一方的に知っては居たし、そもそもだけど社長には手を出して良ければ教えるってちゃんと伝えたけど」
「全然聴いてないですね」
「嘘を言っちゃあいけませんよ、言いましたよ俺は。ちゃんと、打ち上げの時に。ちょーーっとセクハラとかされるかもしれないけどって」
「俺がしちゃったね〜」
ハハハと笑って誤魔化した。
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