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第22話
秘処は、痛いのを通り越して痺れている。雄が脈打つたび、大蛇が身をくねらせるイメージが浮かぶ。
「はは、みっちり……」
ヒステリックな笑いの発作に襲われた。内 にさざ波が立つと、その震えが皮肉なことに裏筋をブラッシングする方向へ働く。と同時に本格的に律動が刻まれるのを阻み、ニッチもサッチもいかないレベルで内壁が狭まる。
逆らって、ぬぷとイチモツが動いた。その拍子に穂先が、秘めやかに在る一点を捉えた。
「やっ、なに!」
うろたえた顔をパッと振り向けた。あたかも、むき出しの神経に電極を貼りつけたうえでスイッチを入れたようなビリビリする感覚。
同じポイントを今度は狙い打ちにつつかれると、
「ぅ、ああー、あ……っ!」
嬌声が口をついて迸った。いつしか透明な糸が巻きつけて釣りあげているように、艶 めかしいカーブを描いてペニスが萌す。
「ふ……ん、ん……犯られるのがツボって、よがりだしちゃう設定はAV限定だろ。最低最悪のシチュで勃つとか、ありえない」
ペンギンが飛翔するほど、ありえない。こんなのは、まやかしだ。
ぐちゅり、と抜き差しがはじまるにつれて、呼応するように内奥がはしゃぎだした気がするのは……、
「あんたの……無駄にデカい、そいつにも媚薬を塗っておいたのか。ビンゴだな、やり方が汚ねえ」
「〝しちゅ〟なる語句は初耳であるが。つまるところ実 をひしがれる悦びは味わい深いと、ほのめかしているのだな。相違あるまい」
「てめえ、脳みそまで腐れてんのか!」
上体をねじりざま拳をふるいかけて、きょとんとした。髭 が伸びるのが異様に早いうえ濃い体質? 違う、そんな生やさしい次元じゃない。
〝復讐の一環または性奴の躾〟と称するものがはじまった段ではきれいに剃ってあったのが、今や数日分の不精髭で通用するレベルの伸びっぷり。獅子のそれ、そのものの形の耳とひとつづきに、顔全体が金色みを帯びた毛でわしゃわしゃと覆われていく。
変貌を遂げつつある箇所は顔面以外にも。うなじの産毛が急速に太くなるとともに密生するさまは、萌え出 ずる春の野を高感度カメラで捉えた映像を思わせた。
繁ると表現するのがより実情に近く、たてがみ、らしきものを形作る。
「あんた、もしかするとおれに乗っかってきながら特殊メイクでもしたのか……?」
植毛法を応用して? いきり立ったイチモツをなだめすかす一方で? だとしたら、とんでもなく器用で且つ、ふざけた話だ。
尻尾が優美にしなう。羽織ったままのマントが、ふわりと風をはらむ。そしてアルフォンソは頬をじょりじょりと撫でると、こんな答えをよこす。
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