48 / 50
第48話
花芯をさらけ出すのももどかしく、指をこじ入れる。きりきりと襞が攣 れてもかまわず、ぐちゃぐちゃとかき混ぜながら、どれだけ憎んでも飽き足りない男を挑発的に睨 めあげた。
「……っ!」
夜な夜な拓 かれて開発が進んだとはいえ、いじると愛液で潤う構造にはない。バリケードに阻まれるような抵抗を感じても、強引に指を押し進めて内壁をこすりつづけた。
刺し貫かれるのを前提で、進んで後孔をほぐす未来が待っているなんて夢想だにしなかったころは、今や石器時代ほどの昔。なんの因果か、獣人の世界に迷い込んだのが運命の分かれ道だった以上、今度は自分の意志で性奴に堕ちてやるまで。
柳の葉が落ちて水面 に波紋が広がった。精悍な面 にも、酷薄な笑みが広がっていく。
「よかろう。せっかくの厚意を無にする痴 れ者は、ふさわしく扱うにやぶさかではない」
鞭のように尻尾がしなったせつな、天と地がひっくり返った。敷物代わりのマントが波打ち、仰向けに押し倒された志木は足を大きく広げて、のしかかってくるアルフォンソを迎え撃った。
「己の分 をわきまえぬ口を利くとは、しつけ足りないとみえる。泣き叫ぼうが、半殺しの憂き目を見ようが、自業自得と肝に銘じるがよい」
「前置きが長 ぇし。ヒトでも獣でもない、なり損ないのバケモノらしく、さっさと犯れよ」
と、せせら笑いを浴びせるはしからシャツを剝ぎ取られた。すかさず乳首をひねりつぶしてこられて鋭い痛みが走っても、イチモツを摑み出して返す。
夜ごと手ほどきを受けた……正しくは駄犬に芸を仕込むのと同様のやり方で憶えさせられた淫技を用いて育てあげていく。
そそり立てば、もはや凶器。巨軀を飾るそれが、咲き初めるには至らない花にあてがわれた。キズモノにされてから一年余、幾度となく番っても、えぐり込まれる瞬間は引き裂かれる予感にすくみあがる。
だがアルフォンソの言 を借りれば、支配する側と服従するよう強いられる側という枠からはみ出して新たな関係を築く? 最高に洒落たブラックジョークだ。
ぎらつく眼 でアルフォンソを縫い留めておいて、手を添えていざなった。
「……っ、ぅう」
たっぷり精油を塗り込めてあっても、いつもキツキツという慎ましやかさだ。ましてや、こなれるには程遠い。とはいえ先例に照らし合わせて、てっきり岩をくり貫くように自身をめり込ませる、と思っていた。なのに圧が薄れる。
きょとんとする志木をよそに、巨軀がずり下がっていく。そしてジャッキアップする要領で、秘処がほとんど真上を向く形に細腰 を抱えあげた。さらに両の足首を摑んで下肢をVの字に割り開くと、ためらいもみせず顔を埋めた。
ともだちにシェアしよう!