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第23話

分担制にした日の洗濯物はゴワゴワしていた。 「洗濯、全自動だし上手くいくと思ってたのに何が駄目だったんだろ……?」 世一は真剣に悩んでいたようだった。 原因は柔軟剤を入れていなかった、それ一択だろう。 きっと潔家は世一の母親が全部していたのだろうし、ブルーロックの施設ではサッカーと勉強以外は何も教えてはいない、最初は誰もが失敗することだろう。 気にせず俺は洗濯されたシャツを身に着けた。 「わー!!待って待って冴っ」 「なんだ?」 「クローゼットに入ってるやつ着て!!こんなの冴に着せられないよっ」 「いや、今日はこれがいい」 世一はトレーニングに行こうとする俺を止めてきたが、その手を取って俺は言った。 「俺にとっては世一がしてくれた行為が全部嬉しい。だから今日はこれがいい」 「んー、……じゃあ。これからはもっとちゃんとする。頑張る!!」 世一は本当に何故洗濯が上手くいかなかったのか真剣に考えていたようなので、俺はヒントを出した。 「髪と同じだ。柔らかくするコンディショナーと同じものが洗濯には必要だ」 すると世一は何が足りなかったのか気付いたらしく、呟いた。 「……柔軟剤?!」 「次は上手くいく」 俺がそう言うと世一は苦笑いで言った。 「ありがとう冴。次は完璧にやるよ」

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