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第26話

天下の糸師冴が潔世一にこんなにも感情が押しつぶされそうになっているなんて誰も思ってないだろう。 過去に自分が辺りをを振り回していたツケが今きたのか、そう思うようにして感情を圧し殺す。 もしかしたら凛もこのような感情で世一に好意を向けていたのかと今更ながら考えると、彼の存在は罪は過ぎる。 世一とジムで別れて一時間、今頃士道に抱かれているのかと思うと気が気ではなかった。 結局は世一にとって糸師冴と士道龍聖は同じ立ち位置なのだろう。 俺は一番にはなれないのか。 そこまで世一の世界はある意味で広いのだろう。 それでも納得がいかない俺は士道龍聖のマンションの前まで出向いていた。 好きだ、好きでたまらないくらい潔世一を愛している。 例え世一の好意が凛に向いていても構わない、次に俺を愛してほしい。 そう思いながら、俺はチャイムを鳴らしていた。 俺を出迎えた士道はすっきりとした表情だった。 「いらっしゃい♡冴ちゃん」 「退け。世一を迎えに来た」 「やっぱ冴ちゃんの出番は早いわー。流石ってカンジ?」 部屋の中に通された先で見た世一は、絶頂を迎えられない身体を火照らせた姿だった。 「さえ……」 「世一、帰るぞ」 そのまま世一に服を着せてから背負った俺は、士道のマンションから去った。

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