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第28話 部屋に二人。
早朝起きてからというもの今日の俺は絶不調だった。
その絶不調の理由は昨日の世一からの言葉をきいてからだ。
『冴は違うと思ってたけど、やっぱ鈍感だな。……俺は冴も好きだよ。俺が今付き合ってるのは冴だと思ってるのに』
この言葉を聞いたときの自分は割とメンタルがやられてて反応出来なかったが、これは確認せねばならない案件だった。
調理に失敗し焦げたスクランブルエッグ食べている世一に俺は質問を投げた。
「俺達は付き合っているのだな」
「じゃなきゃ俺はエッチはしてないよ」
「ならば、士道とは何故行為をしている」
「……それを聞かれたら辛いなぁ」
世一は苦笑いだった。
今俺と世一が付き合ってるならば二人の行為は見過ごせない、きっと俺は注意する資格はあるのだろう。
「俺と付き合うならば、士道龍聖とは寝てほしくない」
「もし俺が士道の相手にならなきゃ、この部屋に来ちゃうから嫌だな」
確かに士道が通うようになったら俺自身も嫌だった。
だが士道と世一の肉体関係が今後も合って良いと言い切れないのだ。
世一を独り占めしたいと心が言っている。
これは独占欲だ。
やっと世一を独占できる人間になれたのだ、ならばそんな関係を許す気になどなれない。
「俺はこの部屋に士道を入れなくない。士道が今一番気になってるのは冴のことだから」
「あいつの頭が湧いてるのはいつものことだ。気にすることはない」
俺は向かい合わせに座っている世一の手を取り、指に口付けをして話を強制終了させた。
「食物を摂る行為はそそるものだな」
人間の三大欲求は性欲は勿論のこと、他の食欲と睡眠欲どれにたいしても艶がある。
その今の俺の相手が潔世一だということが幸せだった。
「……冴、キスはやめてよ。時間はそんなにないし」
「指だけだ。今はしない」
「夜は?」
まさか朝に夜のことを聞くとは、中々のことをする。
「世一を甘やかしたい」
蕩けるくらい甘やかして、俺が欲しいと懇願して淫らな姿を見せて欲しい。
すると彼は顔を赤くさせて目を反らした。
「……よろしくお願いします」
その表情は実に可愛らしかった。
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