29 / 34
第29話
俺が何故世一をかわいがっているのか、それは好きな相手だから。
好きな相手だからこそ俺は自分の手で育てたい。
摂る食事を何故こんなにも時間と手間暇を掛けて作るのかと聞かれたら世一のせいだ。
彼が美味しそうに食べてくれる、それも要因の一つだが、それだけではない。
世一の血肉は俺の時間と手間暇を掛けた食物で形成されているのだ、こんなにも幸福を感じることはない。
好きな相手をどんな面でもサポートしている、それは俺にとっての最大限の愛情なのだ。
俺はきっと普通のことでは幸せを感じることはできないと思っていたし、世一とルームシェアをしなければそんな感情は抱かなかっただろう。
だから世一にはサッカー関連のもの以外は、正直何もしてほしくなかった。
洗濯も俺の役割がいい。
世一が俺抜きでは生きれないままでいてほしかった。
俺はきっと世一以外の人間にはこんな感情にはならないだろう。
それくらい俺は世一が好きで、愛している。
それは未来永劫変わらないことだ。
だからこそ世一に触れる人間は許せなかった。
ともだちにシェアしよう!

