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第30話

その夜の試合が終り、運良く勝利を得たチームメイトは皆その瞬間の興奮からボディタッチをすることが多い。 俺はほぼその感覚はないのだが、世一は身体で表現することが多かった。 そして恐れていたことが起きた。 俺と世一のアシストで士道が逆転ゴールを決めた瞬間のボディタッチでのことだ。 公衆の面前で興奮のあまりに士道は世一に伸し掛かり口付けをかました。 「イケね、脳汁溢れたーっ♡」 「士道、やりやがったな!!」 流石に釘付けのフィールドで、俺は態度に出して怒ることができない俺は、必然的に傍観者となった。 その試合が終り、ロッカールームでのチームメイト達の話題がそのことばかりで胸糞悪くなった俺は、世一を置いて一人帰宅した。 世一は不可抗力だった、それでも気分の悪いことは悪いのだ、仕方がなく俺はソファーに座った。 溜め息を吐いて落ち着きを取り戻そうと、部屋内で出来る筋トレを始めた。

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