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「この先は通れないので迂回をお願いします」  朝から想定外のことが続いている。もう理由を知ることなどどうでもよくなってしまった。  トーマは仕方なく別の道から帰ることにした。  ここまでルーティンを乱されたことのないトーマ。もやもやとした気分が膨れ上がる。 「はぁ……」  ふと顔を上げると、やけに輝いているように思える店が目に入った。  そこは花屋であった。  まるで蜜に吸い寄せられた虫にでもなったような気分になりつつ、ふらりと店の中へ入っていった。  鮮やかな花々は、輝きを放っているかのようにみずみずしい。  ふと、トーマの頭にヨシュアの姿が浮かび上がる。彼に似合いそう、そう思った。 「いらっしゃいま……」  柔らかい声はそこで途切れた。  不思議に思ったトーマは声の主の顔を見て小さく声が漏れた。

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