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「ヨシュア、さん……」 「トーマさん……。いらっしゃいませ! ここは、僕のお店なんですよ!」  そこにいたのは、エプロン姿のヨシュアだった。 「そうだったんですか。いつもの道が通れなくて違う道を来てみたら、すっかり吸い寄せられていました」 「あはは、そうだったんですね」  家以外の場所でトーマに会えたことが嬉しいのか、ヨシュアは周囲に花を舞わせているオーラを出しながら近付いてくる。  よほど嬉しいらしいその姿を見たトーマも、釣られて笑顔になっていた。 「……せっかくだし、何か買わせてください」 「そっ、そんな、いいですよ。僕から送らせてください」 「いや、一生懸命なヨシュアさんに申し訳ないです」 「ありがとうございます……」  少し顔を赤らめ、ヨシュアは店内を見渡す。  何度か繰り返すとようやく閃いたようで、花の方へと近付いていく。  手に取ったピンク色の花は、『ネリネ』と書かれたところから出された。  さっと花束を作り、再びトーマの方へと近寄る。  トーマに花を渡すその手は、少し震えていた気がした。

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