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「その……一つお願いがあるんですけど、いいですか?」
急に改まった態度で話す。彼の頬はさらに赤みが増しているように思えた。
「もちろん、いいですよ」
「あの……トーマさんの次のお休みのときに、僕に時間をいただけませんか?」
「えっ……?」
「僕と、一緒にお出かけをしてもえませんか? あっ、遠出じゃなくて、カフェでお茶したり買い物したりする感じのものです」
予想外の申し出に、トーマはぽかんとしていた。
休日は休日としてルーティンがあるために崩したくない気持ちもある。
けれども、今まで挨拶以外していないヨシュアと距離を縮められる絶好の機会であることには違いない。今ここで断ってしまったら、二度とない可能性だってあり得る。
どちらにするか、それはトーマの中ですぐに決まった。
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