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 トーマは部屋の奥へと進んでいく。 「ヨシュアさん、ヨシュアさん」  名前を呼んでも返事はないが、もしかしたらと考えて何度も呼び続ける。  そして奥の部屋へと着いた。勝手に入り、勝手に照明を点けて部屋を見渡す。 「ヨシュアさ……ヨシュアさん!!」  部屋の中央でヨシュアはぐったりとして倒れていた。  トーマは急いで駆け寄り、その身体に触れる。  じっとりと湿った顔は熱く、呼吸が苦しそうである。  トーマはすぐさまヨシュアを抱きかかえ、ベッドに横たわらせる。  移動している間にも、ヨシュアの周囲には花が浮かび上がり、落ちていくとともに萎れていった。  時折身体に当たる感覚が鬱陶しいと思いつつ、ヨシュアの身体をしっかりと横たえることに専念する。 「トーマ……さん……?」 「ヨシュアさん! 大丈夫ですか!? 今、薬を……」  そう言って立ち上がろうとしたそのときであった。

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