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ヨシュアの手がトーマを掴み、その動きを遮ったのである。
「ヨシュアさん……?」
「トーマさん……僕の、そばに……いてください。それから……僕の手を、握ってください……」
予想外のことにトーマは一瞬固まった。しかし、ヨシュアの願いを叶えることでよくなるのであれば、今はそうするべきである。
恐るおそる伸ばされた手を、トーマは両手で握り返した。
「分かりました、ヨシュアさん。俺がそばにいますよ」
「ありがとう……ございます……」
ニコリと小さく笑みを見せると、ヨシュアはそのまま眠ってしまった。
トーマの存在がここまでヨシュアを安心させていることに、トーマ自身はただただ驚きしかない。
ヨシュアにとってトーマという存在はどれほどのものだろうか。
それを知りたくてしょうがない。
そう思いながらも、トーマはヨシュアの体調がよくなるよう、ぎゅっと手を握り締めた。
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