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イオの口のなかで、それは次第に熟し、口内に先走りの味が広がる。口からそれを出すと、舌を固くして先っぽの小さな穴を攻める。
「やっ、だめっ。それ、だめっ。なんか、出ちゃうぅ」
「出していい」
かりっと軽く歯を立てた。その途端。
「ひゃあぁぁぁぁんっ」
一際大きく声を上げ、ぶるっと身体を震わした。
イオの口の中に熱い迸りを放つ。はぁっと息を吐いている間に、ごくっと嚥下する音が聞こえた。
「ーー! イオ、それ、もう必要ないだろ」
『人間になるために』
イオをーー銀の魔物を『想う証が欲しい』という『あの時』の言葉を信じていた。
『もう人間なんだから必要ない』
そう、考えても確かに可笑しくはない。
「お前のものは、全て俺のものだろ?」
口許を拭いながら笑い混じりに言われる。その表情を見ていると、あの時のことも本当は違うんじゃないかという疑問すら浮かぶ。
ただ、そうすることが、大人の愛情の大きさの示し方だというならーー。自分の想いがイオの愛に負けているような気がして、悔しくなる。
「ボク、も、するっ」
ちらっとイオの昂りに視線を向ける。あの時も見た……。
わ、でかい。
む、むり?
もう既に大きく育っているイオのそれは、記憶よりもまた更に長大で重量もありそうだった。そして、自分のものとは全く違う。
全部顔に出ていたのか、
「無理するな。そのうちでいい」
くすっと笑われ、怯んだ気持ちを押し込め、負けん気を発揮。
「やる!」
★ ★
イオはふかふかの枕が並んだ寝台の頭に、背をつけて座った。呆れられたかと思い、トールはしょぼんとしてへたり込んだ。
「無理だと思ったら、やめていいから」
言うが早いか、トールの両足首を掴んで、自分のほうに引っ張った。
「わっ」
自然その身体は、イオの上に乗るような形を取った。顔が股間の辺りに当たりそうになり、慌てて手をついて隙間を作る。
「ズボン脱がせて。下衣も」
後方から落ちついた声が聞こえる。
「あ……」
そこでやっと自分の言ったことを思いだす。
この体勢って……。
かぁっと顔が熱くなる。
おずおずと下衣ごとズボンをずらす。その間は直視できず、眼を逸らしていた。イオに習って手にした衣服を寝台の脇に落とす。
ゆっくりと、イオの昂りに眼を向けた。
「でかっ」
つい口から飛びでてしまった。
こんなに間近で、じっくり見たのは初めてで、やはり自分のものとはだいぶ違うと感じた。
色も。形も。長大で、重量もある。
しかも。
これって、ぜったい、めいっぱいじゃないよね?
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