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 そんなことを考えている間に、イオの指はより快い場所に触れる。 「ひゃあぁぁんっっ。だ、だめ、そこっっ」  何度も突かれて押し潰された記憶が甦る。気持ち良くなりすぎてしまった場所だ。自分の体内(なか)にそんな場所があると、その時始めて知った。  しかも、今は吐き出す手だてもなく、快楽だけが体内をぐるぐると巡る。 「そろそろ、良さそうかな」  舌舐りでもしてそうな声が間近で聞こえた。  はっとして、見ると。 「み、みみがぁ~~!!」 「ん?」 「あ、しっぽ~~っ」  ひょっとして幻覚かと思っていた、自分の昂りにきつく巻きつく『それ』を二度見する。  ーー幻覚ではなかった。  巻きついている『それ』は、白銀の尻尾。そして、金色の髪の上に生えているのも、白銀のーー獅子の耳。  がっと、その耳を掴み、 「イオ、人間になったんじゃーーあ、ああぁぁぁぁっっ」  言い終わる前に、自分の内側に長大な熱がゆっくりと入り込んできた。  痛みは少しある。圧迫感も。でも、この間とはまた違う感触がする。  生身の熱のようなもの。  言葉にはし難い、多幸感。  もう耳がどうの、尻尾がどうのと、冷静には考えられない。 「さて、どうかな」  イオのそんな言葉も聞こえていない。  流されていく。 ★ ★  その熱は、浅いところを抜き差ししつつ、少しずつ奥へと進んでいく。慣れて痛みも薄れたところへ、あの気持ちの良い場所を擦られ押し潰され、更にその奥へと突っ込まれる。  吐き出したいのに、出せないもどかしさもあり、狂ったような快感の波が押し寄せてくる。肉体の内側は熱が増す一方だった。 「ああ、いいな……お前の(なか)、熱い」  イオが耳朶を舐めながら、熱い言葉を注ぐ。  ああ、そうだ。  あの時、イオはどうだったんだろう。  何の言葉もなかった。  快楽を与えるだけの……。  全て想像に過ぎないが、それでも同じように気持ち良くなってくれたことに、ぞくぞくする。もう我慢も限界だった。 「ね、イオ? まだ? まだ、だめ?」 「うん? ああ」  しかし、イオは自分のそれを、トールの体内(うち)から引き抜いた。 「え……」  思いもかけないことだった。イオのそれがいなくなったことに酷く切なさを感じ、熱くなった後口はもっとというようにひくついている。 「イオ、どうして……っ」  中途半端な状態で放っておかれ涙が滲んでくる。  それでもまだ、熟し切って、たらたらと水滴を垂らしているそこには、例の長過ぎる尻尾が巻きついていた。  イオは枕を背に座り、胡座をかいた。  トールの(なか)から出てきたそれは、また更に大きくそそり立っていた。 「おいで」  伸ばされた掌におずおずと応えると、イオの間近に(いざな)われ、そこでくるっと反転させられた。イオに背を向けて膝立ちの体勢になった。  ひくひくしているそこを指で触れられ、 「ーーここに、俺のを入れて」  耳許で甘く囁かれる。  甘い声で……。意味のわからないことを……。

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