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「だろっ。そういうわけで研究生として入った時にはもうすでに『キラキラの王子様の僕だったわけです』」  突如として白王子発動。キラキラ笑顔が振り撒かれる。 「わぁ〜白王子様眩しい」  彼方が目を瞬かせてぽっと頬を赤くする。 「白王子様? なんだそれは。ちなみに当時小五でした。うちの両親なんか今でも俺が王子様やってるのを見ると腹抱えて笑ってるんだぜ」 「小五! そんなに長い間白お……じゃなくて猫被ってたんだ」  そう考えるとなんだか同情するし、それにやっぱり。 (おれ、特別なのか?) 「だから特別だって言ったろ」  彼方の心を読んだのか顔に全部出ていたのか、煌は念を押すように言う。その瞳には熱さが垣間見えた。 「まぁ……どう特別なのか気づいたのは……最近だけどな。お前が緋色と話しているのを見かけた時……妙にもやもやしてお前につっかかっちまうし、挙げ句にお前の涙見てむらむらしてあんなことしちまうし」  あんなこと、とは……初めてSAKURAドームの楽屋で扱かれたことだなと思うと顔が熱くなる。余りに突然のことだったがあの時彼の中にはそんな気持ちがあったのだと知った。 「それからミックスリハで緋色がお前を庇った時も同じ気持ちになった。いや、それ以上に激しい憤りを感じた。彼方は俺のものなのに、みたいな。その時気づいたんだ、俺はお前のことがそういう意味で好きなんだって」  煌が今までになく真剣でそして熱く語る。それも自分のことが好きなんだと。嬉しくてでも照れもあってどうしていいのかわからず思わず言ってしまったのは。 「煌さんってば、おれのこと好き過ぎじゃないっすかーっ」  茶化すような言葉。ピクッと顔色を微妙に変えたので「ごめんなさい」と小さな声で謝った。 「そうだよ、お前のこと好き過ぎなんだよ」  言葉尻をとられ、もう一度「ごめんなさい」と謝った。 「お前はどうなんだ、彼方?」 「え?」  内心先に言ったのは「おれのほうだよな」と思いながらも、 「さっき言ったじゃないですかっ煌さんのこと好きだって」  そう言いきった。  しかしその次に煌が言ったことは意外な言葉だった。 「それって……本当の俺が好きなのか? それとも王子様の俺? 推しとしての俺が好きなのか?」 「え……どうしてそんなこと……」 (おれ……もともと煌さんのファンだって言ったっけ? 今日はテンションあがっていろいろ口走ったような気がしたから、ひょっとしてパレた?) 「だってお前、俺が今より小さいハコでやってた時からライヴ来てただろ?」 (ん? なんか今聞いてはいけないことを聞いたような)  更に煌はつけ加えた。 「握手会やチェキ会なんかにもいつも参加してたよな?」 「えええーっっっなんで煌さん知ってるんですかーっっ」

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