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『お前を壊す』  そんな不穏な言葉とは裏腹にソウの行為は優しい。 (細いな……)  もともとユエが細いことはわかっていた。自分の全体重をかけては壊れてしまいそうで、ユエの傍らに片肘をつき自分の重みがかからないようにする。  ソウはその白く細い首筋に唇を寄せる。首筋から鎖骨、剥き出しの腕に、味わうようにゆっくりと移動していく。痕をつけていきたい衝動に駆られるが、軽く吸い上げる程度で妥協する。  ユエはまだ彼のものではないのだ。 (もし、ユエが俺を好きだと言うのなら、至るところに痕をつけてしまうのに)  最近初恋を自覚したばかりなのに、こんなにも彼を欲している自分がおかしかった。三十路も近いのにまるで中高生のようだ。自分の身体の下で微動だにしない、そんなユエを喘がせてみたいと思った。自分にもそんな欲があったのだと知った。  タンクトップの裾から手を入れ、薄い腹を撫でる。ひんやりとした身体だ。白くて細くてひんやりとしたユエはやっぱりどこか無機質のようだ。  それに比べて自分の手は酷く熱く、汗ばんでいて、この熱が移ればいい。そう思いながら手はさらに上に進んでいく。滑らかな肌にぽつんとある突起に手が触れた。  その瞬間どうにも興奮して、今まで優しく触れていたのに、急にそれを指先で強く摘んでしまう。 「……っ」  さすがにユエの口から声が漏れた。たぶんそれは驚きと痛みからなのだろう。 喘ぎとはまた違う。それでもソウは昂ぶった。そこにむしゃぶりついてもっと声を上げさせたいと思った。  タンクトップを思い切りたくしあげる。白い肌に薄いピンク色の二つの突起は、慎ましやかにそこにあるのに、やけに淫らで情欲を掻き立てる。  いきなりそこを貪りたいのを我慢して、胸の間にキスをする。そして舌を滑らせ片側の乳輪の周りをくるくると舐めた。 「ふ……っ」  そうしているうちに先程とはまた違う声が漏れ始める。そう思ったら我慢できなくなり、寒さでかじかんだようにつんっと立ったそれをぱくっと口に含んだ。 「あ……っ」  また声が漏れる。  ソウは夢中になって、それをしゃぶったり軽く歯を立てたりしてみる。  知識として手順などはなんとなく頭にはあるが、この歳でもセックスはまだ未経験だ。ユエを怖がらせたくない、余裕のある大人の振りをしていたが、こうなっては欲望のままに突き進む若者たちとなんら変わりなくなる。  自分の身体の中心が熱く、苦しくなってきているのを感じた。それと同時にユエはどうなんだろう? という思いが頭を()ぎる。 (俺と同じならいいのに)  唇は胸を嬲りながら、手だけが下方に移動し、パジャマのズボンの上からその部分に軽く触れる。掌に熱を感じた。まだソウほど育ってはいないが、確実に形を変えているのが分かる。 「だめ……っ」  初めてソウの下にある身体が身動ぎをする。ソウの手を止めようとしたか、ユエの手が彷徨ってくるが、それは逆効果だった。軽く触れていた手に力が籠る。薄い布の上からそれを擦り始めた。 「や……っ」  声とは裏腹にまた少し硬度が増す。 「結……気持ちいい?」  貪っていた胸からは離れ、ユエの顔を覗き込む。羞恥からか白い顔が真っ赤に染まっていた。 「あおっ、それ、なんか怖いっ」  こんな状況でもちゃんと『蒼』と呼ぶ律儀さが愛おしい。 「怖い? 自分ではしないのか?」 「……あまり……」  恥ずかしげに言う。  ソウは自分がそういう性質ではないと思っていたが、言葉で攻めることに高揚した。 「大丈夫、俺も同じだから」  弄っていた手をどけ、自分の怒張しているそれを押しつける。 「あおっやめっこわいっ」  そう言うのが精一杯のようで、ソウは堪らなくなり、ユエの背中に手を入れぐっと起き上がらせた。 「結、可愛い」  ぎゅっと抱き締め、そう耳元で囁いたかと思うと、激しくユエの唇を貪った。    

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