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番外編5 メイド服騒動 / 下(ニア視点) *R-18
「最高の光景だな」
正気だったら、きっと『最悪の光景だろうが!』と喚き散らしていただろう。だが、ショックが大きすぎて、今はパクパクと口を上下させることしかできなかった。
下着のスリットから顔を覗かせた陰茎に、フィルバートが顔を寄せる。そのまま先走りを滲ませる先端をちゅうっと吸われて、ひぐっ、と咽喉が鈍い音を鳴らした。
「あっ、ぁ、ぁあぁッ」
先ほどとは違う、布越しではない直接的な刺激に、開いた内腿がガクガクと跳ねる。そのまま、ちゅるちゅると音を立てて先端を吸い上げられると、もう堪らなかった。下腹が収縮して、一気に射精感が強まっていくのを感じる。
「や、っ、ぁあ、ぁ、ふぃ……ふぃる、さま、出っ……ちゃいま……っ」
フィルバートの口に吐き出すことだけは避けたくて、両手で必死に頭を押し返そうとする。だが、すぐさまその手を掴まれた。
「出したくないなら、自分で押さえてろ」
そう告げる声とともに、両手を自身の陰茎へと運ばれる。その仕草に、フィルバートが何を望んでいるのか、声に出さずとも理解できた。
ニアは顔をくしゃくしゃに歪めると、震える両手で自身の陰茎の根元を強く掴んだ。すると、フィルバートは『よくできました』とばかりにニアの内腿を柔く撫でた。再びフィルバートの唇がニアの陰茎を呑み込んでくる。
亀頭を含まれたまま敏感な鈴口周りを舌先でくすぐられる感触に、腰がはしたなく浮きそうになる。
「ぅ、ぅヴ、ぅぁッ、んんっ」
絶頂を堪えるために、キツく陰茎の根元を絞る。腹の底から這い上がってくる快感に、今にも精液を吐き出したそうに鈴口がパクパクと開閉しているのを感じた。
そのうえ、ヒク付く後孔にまで指が這わされ始めた。いつの間にか香油をまとった指が、ずぶずぶと体内へと沈んでいく。
「ぃ、やぁあ、ぁァアッ!」
最初から、中の良いところを指先でグリグリと押し潰してくる。その度に脳天を貫くような快感が走って、腰が上下に跳ねた。中の抵抗が少ないのを確認してから、すぐさま二本目の指が体内に入ってくる。二本の指がぐじゅぐじゅと粘膜を擦り上げながら、何度も根元まで押し込まれていく。
同時に、ずるずるとフィルバートの口に陰茎が呑み込まれていった。裏筋にピッタリと舌腹を押し当てたまま、フィルバートの頭が上下に揺れる。陰茎と後孔を同時に刺激されて、ニアはソファの背もたれに後頭部を押し付けたまま身悶えた。
「ぁ、ぁあぁ、んぁ、だっ……だめっ……!」
ダメダメと何度も繰り返しながら、頭を左右に打ち振る。だが、フィルバートは動きを止めてくれない。
二本の指が体内の良いところを抉りながら、尖った舌先で小さな鈴口をグリグリとほじくられる。その強烈な快感に、ニアは背筋を弓なりに反らしながら絶叫した。
「ぁアぁ、ッぁアァアッ!」
射精を伴わぬ絶頂に、全身がガクガクと痙攣して頭の中が真っ白になる。体内が勝手に窄まって、ぎゅうぅうとフィルバートの指を締め付けるのが解った。同時に、フィルバートが鈴口を思いっきり吸い上げてきた。その刺激に、反射的に両手で陰茎の根元を締め付ける。
「ゥヴ、ぅ、ぁ、ぐぅう、っ」
下腹の奥で、熱が渦を巻いてうねっている。鈍い声を漏らしながら、頑なに射精を堪えるニアを見て、ようやく諦めたようにフィルバートが陰茎から唇を離した。ぐっぱりと開かれた鈴口を見下ろして、フィルバートが苦笑い混じりの声を漏らす。
「出してもいいのにな」
まるで小さな子に語りかけるような口調で呟きながら、フィルバートが鈴口を悪戯に撫でてくる。人差し指の腹ですりすりと鈴口を撫でられる刺激に、ニアは、ひぃ、と掠れた嬌声を漏らした。
「ゃ、やだ……やぁ、だ……」
子供みたいに、やだやだ、と繰り返しながら、フィルバートへと両手を伸ばす。すると、フィルバートはニアの望みを理解したように和やかな表情を浮かべた。
ニアの両手を握って、そのままフィルバートが顔を寄せてくる。近付いてくる唇を見た瞬間、ニアは無我夢中でその唇に口付けていた。すぐさま舌をねじり込んで、流れてくる唾液を飲み込んでいく。絡み合う柔らかな舌の感触に、先ほどまでの張り詰めた快感がほっと緩んでいくのを感じた。
「は、ぁ、ぁ……っ」
重なった唇の隙間から安堵の息が漏れる。だが、それも長くは続かなかった。
緩んだ後孔に、グッと熱いものが押し付けられる。その感触に目を見開いた直後、ずぶずぶと腹の中に太いものが押し込まれてきた。
「ぁぁあ、ぁ、あぁァアッ!」
「悪いな、俺も限界だ」
そううめく声が至近距離から聞こえてくる。ソファの背もたれに背中を押し付けられたまま、すぐさま激しい律動が始まる。ソファの背もたれのせいで上に逃れられず、突かれる衝撃がそのまま体内に響くのがまた堪らなかった。
先端まで引き抜かれて根元まで押し込まれる度に、体内がひっくり返るみたいな快感が走って、無意識に両目からぼろぼろと涙が溢れた。絶頂がずっと続いていて、何も考えられなくなる。
「ぁ、あ、ぅっ、だ、だめっ……!」
先ほど射精を我慢したのに、突き上げられる衝撃にあわせて、まるでオモチャの水鉄砲みたいに鈴口からビュッ、ビュッと精液が吐き出されていく。たくし上げられたスカートが白濁で汚れていくのを見て、ニアは余計に目を潤ませた。
「はは、服を汚してしまったな」
せっかくお前のために用意した服なのに。と意地悪く囁きながら、フィルバートが更に深く腰を押し付けてくる。ググッと体内の一番奥まで先端が潜り込んできて、その圧迫感にも似た壮絶な快感に、更に鈴口から精液がビュルッと溢れた。
汚れたスカートを見て、フィルバートが仄暗く表情を歪める。その愉しげな表情を見上げて、ニアは涙声で呟いた。
「フィル、さまの……へんたい……」
それぐらい罵らないと気が済まなかった。珍しいニアの悪態に、フィルバートは一瞬きょとんと目を瞬かせた。だが、すぐさま表情を緩めると、こう囁いた。
「もっと罵ってくれ」
そう呟くと、ニアの両膝を両手でソファに押し付けて、再び中を突き上げ始めた。太くて長いものが行き来する度に、ぐちぐちと粘着質な音が体内から響く。その音に更に羞恥心を煽られながら、ニアは譫言のように繰り返した。
「ぅ、ぁ、へ、へんたい……へんたぃ、ぃ……っ」
変態変態と繰り返しながら、それがフィルバートに言っているのか、それとも自分自身に言っているのか判らなくなってくる。こんな女性ものの服を着て、女性のように犯されている自分の方が、よっぽど変態なんじゃないだろうか。
だが、そんな思考も、すぐさま奥を突かれる快感で霧散していった。フィルバートも限界が近いのか、徐々に律動が直情的なものに変わっていく。射精を目指す、獣のような動きだ。内腿を掴むフィルバートの指先が、肉に食い込むのを感じた。
フィルバートの射精の兆しを感じて、ニアは無意識に両腕を伸ばした。フィルバートの首裏に両腕を回して、その顔を引き寄せる。その深い青色をした瞳を至近距離で見つめたまま、ニアは掠れた声で囁いた。
「おれの、中に、出していぃ、ですよ……へんたい……」
煽るように口に出して、フィルバートの下唇に薄く噛み付く。瞬間、フィルバートが目尻を吊り上げるのが見えた。ニアの唇に深く口付けると、舌を強引に絡め取ってくる。そのまま、腰骨を掴まれてゴツゴツと乱暴に体内を掘削された。
「んん、ぅぅ、んぁ、ンンんぅん……ッ!」
ガヅッと音が鳴るくらい激しく腰が打ち付けられる。先端がグボッと一番奥までハマり込んだ瞬間、フィルバートの身体が大きく跳ねた。次の瞬間、体内の奥深くに熱いものがブチまけられるのを感じて、ニアは全身を痙攣させた。
「ァアア、ぁあ、ァアアぁぁッ!!」
根元まで突っ込まれた陰茎がビクビクと震えながら、遠慮なく精液を吐き出しているのを感じる。体内に注がれていく熱いものを感じて、ニアは左右に開いた両足を悶えるように動かした。
「ぁ、ぁ、ぁ……」
この瞬間が堪らなかった。フィルバートが自分の身体で快感を感じて果ててくれた瞬間が、一番幸せを感じる。快感に浸るように細められたフィルバートの目を、至近距離でうっとりと見上げる。この顔を見ることができるのが自分だけかと思うと、無限に溢れてくる幸福感で溺れそうになった。
最後の一滴まで残らず吐き出すように、フィルバートが緩やかに腰を動かす。まるでマーキングでもするみたいに、吐き出したばかりの精液をずりずりと火照った粘膜に擦り付けていく。その度に快感の余韻が後を引いて、体内がヒク付いた。きゅうきゅうと陰茎を締め付ける粘膜を感じて、フィルバートが小さく笑い声を漏らす。
射精が終わっても、フィルバートはニアの体内から出て行かなかった。荒い息を漏らしながら、フィルバートが汗の滲んだニアの額を撫でてくる。
「ニア、最高だった」
恥ずかしげもない感想に、ニアは胸を大きく上下させたまま嗄れた声を返した。
「も……こんなの、着ません、からね……」
ガサガサな声でそう返すと、フィルバートは楽しげに肩を揺らした。
「ああ、解ってる。今日だけだ」
「だったら、もう、脱がせてください……」
というか、さっさと後孔から陰茎を引き抜いて欲しい。腹の中でトクトクと脈動しているモノを感じると、また変な気持ちになりそうだった。
ニアが肘をついてゆっくりと身体を起こそうとした瞬間、両肩を鷲掴まれた。そのまま、ボスンとソファへと背中を押し付けられる。
「ニア」
真上から聞こえてくるにこやかな声に、また嫌な予感を感じた。恐る恐る見上げると、にっこりと微笑んだフィルバートがニアを見つめていた。フィルバートがニアの肩から胸元へと掌を這わせてくる。布越しに左胸をゆっくりと掴んでくる掌の感触に、ニアはひくりと咽喉を上下させた。
「ここも、俺が用意したものを着けているんだろう?」
そう訊ねてくる声とともに、フィルバートの指先がニアの左胸の尖りをギュウッと摘まんでくる。途端、鋭い刺激が走って、ニアは、ひぁっ、と素っ頓狂な声をあげた。
指先で尖りをグリグリとこねるように押し潰しながら、フィルバートが腰を突き上げてくる。すると、硬さを取り戻しかけた陰茎が再び体内の奥までグチュッと押し込まれて、ニアは背を仰け反らせた。
「あァっ!」
「今日だけだというのなら、あますところなく見せて貰わないとな?」
その言葉に、ニアは自身の額に冷汗が滲むのを感じた。フィルバートが嬉しげな鼻歌を漏らしながら、ニアの上着のボタンを一つずつ外していく。とっさにその手首を掴んで、ニアは引き攣った声を漏らした。
「フィ、フィルさま……もう、今日は……」
「今日は?」
訊ねてくる声に、ニアはグッと息を呑んだ。これ以上、自分の恥ずかしい姿を見られたら羞恥のあまり逆上(のぼ)せ死んでしまう。胸元の服を両手であわせながら、ニアは弱々しい声をあげた。
「これ以上は、むり、です……」
泣き出しそうな声で訴えかけると、フィルバートは怖いくらい優しい笑みを浮かべた。そのままニアの顔を覗き込んで、柔らかな声で囁いてくる。
「残念ながら、それは聞けないな」
「な……なんで……」
ニアが強張った声で返すと、フィルバートは妙に得意げな声で続けた。
「お前が言うとおり、俺は変態だからな」
そう呟くと、フィルバートはガシッとニアの上着を掴んだ。そのまま服を引き千切る勢いで、強引に左右に開く。ニアの胸元につけられた純白のブラを見ると、フィルバートは満足そうに笑みを深めた。
その顔を見て、ニアは掠れた声で叫んだ。
「フィル様の、ド変態……っ!」
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