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番外編6 ニアが結腸ぶち抜かれて号泣する話 / 下(ニア視点) *R-18

   フィルバートの突き上げに合わせて、大きく息を吐いた後にグッと腹に力を込める。そうして強く息んだ瞬間、フィルバートが一気に腰を叩き付けてきた。同時にグボッと音を立てて、一番奥の窄まった部分まで亀頭がはまり込んでくる。 「ぉ、グ……ッ!?」  あまりの衝撃に、咽喉から濁った声が漏れる。目の奥で火花が散って、全身がガクガクと激しく痙攣していた。 「あぁ、入ったな」  満足げに囁いて、フィルバートがニアの下腹を愛おしげに撫でてくる。その淡い刺激すら、今は耐えられなかった。フィルバートの指先がヘソをカリッと掠めた直後、自身の陰茎の先端から勢いよく液体が噴き出した。 「いぁ、ぁあ、ぁあああぁッッ!!」  ブシュッとまるで壊れた噴水みたいに透明な液体が迸る。途端、驚いたようにフィルバートが手を引っ込めるのが見えた。だが、すぐさま嬉しそうな声をあげる。 「はは、潮を噴いたのか」  フィルバートの声が聞こえるが、その言葉の意味が理解できない。脳みそがどろどろに溶けてしまったかのように、何かを考える能力が失われていた。  ニアが小さく痙攣していると、フィルバートの腰が緩やかに動き出した。こじ開けられた最奥を、亀頭がぐぽぐぽと繰り返し行き来している。その度に、脳みそを貫くような凄まじい快感が通り抜けて、垂れ下がった陰茎からプシュッ、プシュッと液体が噴き出た。 「ひっ、ぁあ、ぁっ、ぅうぅうヴぅ~~~!!」  咽喉から獣のような声が漏れるのが恥ずかしいのに、どうしても止められない。最奥を突かれる度に、開きっぱなしになった鈴口から液体が漏れるのにも脳が焼き切れそうだった。 「ゃ、や、ぁあぁあ、やだ、や、ゃ、やだぁ……ッ!」  自分が漏らしているという事実が耐え難くて、両手で隠すように陰茎を押さえる。それなのに指の隙間から、プシッ、プシッと水鉄砲のように噴き出てくるから、余計に堪らなかった。 「ニア、あぁ、可愛いな。お前は本当に愛らしい」  愛おしむように囁きながら、フィルバートが突き上げを激しくしてくる。根元まで突き込まれると、最奥の窄まりに亀頭がずっぽりとハマり込んで背筋が仰け反った。  重たい突き上げが繰り返されるうちに、快感に混じって尿意に似た感覚が込み上げてくるのを感じた。 「だ、だめっ、だめ、だめだめだめッ……!」 「何が駄目なんだ?」  訊ねられても、とろけた脳みそに説明するだけの言語能力が残っていなかった。ただ譫言のようにダメダメと繰り返しながら、ニアは終わらない絶頂に嬌声をあげ続けた。  次第に硬かった窄まりが緩んできて、フィルバートの亀頭にむちゅむちゅと柔らかく吸い付き出すのが分かった。まるで棒付きの飴玉でも咥えたみたいに、夢中で舐めしゃぶっている。 「お前は本当に覚えが早い」  荒い息混じりに言いながら、フィルバートが褒めるようにニアの内腿を撫でてくる。ニアの左足を抱え直すと、フィルバートは突き上げを早くした。絶頂に向かう雄の動きだ。  最奥の窄まりを激しく犯されて、また鈴口から透明な液体がブシュブシュと噴き出す。同時に込み上げる尿意に、ニアは両手で陰茎の根元を強く握り締めた。 「ぁ、ヴぅ、ぅぅう、ぁあぁあぁッ!!」  全身を破裂させそうなほどの快感に、甲高い悲鳴が漏れる。  そうしてグボンッと丸々と肥えた亀頭が窄まりに潜り込んできた瞬間、フィルバートの身体が大きく跳ねた。 「ぅ、グ……ッ」  フィルバートがうめき声を漏らすのと同時に、窄まりの奥に熱い精液が叩き付けられた。陰茎が脈動する度に、ビュービューと音が聞こえてきそうなぐらい勢いよく精液が吐き出される。 「ぁ、うぅ、ぅ、ぁ、あぅ、ぅ……」  射精している間も、フィルバートが緩やかに腰を前後させる。亀頭がくぷくぷと窄まりを行き来する感覚に絶頂が引き延ばされて、ピクピクと身体が痙攣した。  ニアの最奥を精液で満たしてから、ようやく満足したようにフィルバートが陰茎を引き抜く。持ち上げられてニアの左足をそっと下ろすと、フィルバートはニアに顔を近付けてきた。 「よく頑張ったな」  頑張ったというよりも、強制的に頑張らされたという方が正しい気がする。  そのまま、フィルバートはなだめるみたいにニアの額や目蓋にキスを落としてきた。  柔らかな唇の感触に、ふっと身体から力が抜けていく。だが最悪なことに、陰茎を握っていた両手もうっかり緩んでしまった。  直後、しょろろと小さな水音が聞こえてきた。 「ぇ……ぁ……ぅあぁ!?」  自身の下半身を見下ろして、思わず驚愕の声が溢れる。陰茎の先端から半透明な黄色い液体が溢れて、びしょびしょに濡れそぼったシーツを更に濡らしている。  フィルバートも、子供みたいに漏らしたニアを見て目を丸くしている。 「ぅ、わ、ぇう、ぁ、あぅ……」  動揺のあまり、言葉にならない声ばかり零れてくる。両手で陰茎の根元を握り直すものの、一度出てしまったせいで尿は止まってくれない。ちょろちょろと溢れ出す尿を見て、ニアは涙声をあげた。 「み……見ないで、ください……」  震える声で訴えかけるものの、フィルバートは食い入るようにニアの股間を見つめたままだ。その視線に、羞恥が全身を駆け巡る。 「フィル、さま……っ!」  たしなめるように叫ぶと、途端フィルバートはハッとしたように傍らにあったシーツを手に取った。丸めたシーツを、ニアの下半身に押し当ててくる。 「我慢せずに全部出せ」  優しく言いながら、フィルバートは片腕をニアの背に回した。そのまま、赤ん坊にするみたいに背中をトントンと叩かれる。  ニアは子供みたいにフィルバートの背中にしがみ付いて、小さくしゃくり上げた。自身の股間に触れたシーツが、見る見るうちに濡れそぼっていくのを感じる。  ようやく尿が止まると、ニアはフィルバートから素早く離れた。もう一枚あった掛け布団を頭からかぶって、情けない涙声で叫ぶ。 「だっ、だめ、って言っだのに……っ!」  滝のように溢れてくる涙と鼻水のせいで、鼻声になるのが余計に惨めだった。漏らしてしまったショックで涙が止まらず、うぐっ、ひぐっ、と嗚咽まで出てくる。 「悪かった、ニア。俺が全部悪い」  掛け布団の中に籠城したニアに、フィルバートがなだめるように声をかけてくる。布団越しに背中を撫でられるのを感じて、思わずベソベソとした涙声が零れた。 「も……漏らず、なんて……」 「俺がやり過ぎた。お前は何も悪くない」 「この歳で……情げ、ない……」 「お前は情けなくなんてない」  泣き言に甲斐甲斐しく否定が返ってくる。それでもニアがぐずぐずと鼻を鳴らしていると、懇願するようなフィルバートの声が聞こえてきた。 「ニア、顔を見せてくれないか?」  頼む、と囁く声に、ニアは逡巡した後、恐る恐る掛け布団の隙間から顔を覗かせた。涙で顔をべしょべしょにしたニアを見て、フィルバートが泣き笑いのような表情を浮かべる。 「本当に、すまなかった」  謝罪しながら、フィルバートが涙を零す目元に口付けてくる。熱ぼったい目蓋に、フィルバートのかすかに冷たい唇が触れるのが心地よかった。 「俺を許してくれるか?」  ニアが許さないわけないと分かってるくせに、そう訊ねてくるのがずるいと思った。  布団をかぶったまま、じと目でフィルバートを見やる。 「……ごの、布団の洗濯……フィル様が、してくだざい……絶対に、他の人にさぜないでください……」 「あぁ、分かった。ちゃんと俺が綺麗にする」 「お、俺が、漏らじたのも……ぜっ、ぜっだいに、秘密にしてくだざい……」 「当たり前だ。誰にも言うわけがない」  濁音混じりのニアの訴えに、フィルバートが丁寧にうなずきを返してくる。その優しい仕草に、余計にぶわっと涙が溢れてきた。  ニアが鼻をずびずびと鳴らしていると、フィルバートがちり紙を取ってきた。それをニアの鼻先に押し付けてくる。遠慮なくチーンと鼻をかむと、フィルバートが和んだように小さく笑い声を漏らした。 「他には何か要望はあるか?」  フィルバートの問い掛けに、ニアは鼻先を真っ赤に染めたままその顔を見上げた。 「あと……きょ、う挿れた……一番、おくのところ……」 「悪かった。もう挿れないように気を付ける」 「そっ……そう、じゃなくて……あそこまで、いっ、挿れるときは……ちゃんと前の日とか、事前に、教えてください……」  口ごもりながらも何とか言った瞬間、フィルバートが驚いたように目を見開いた。その表情を見て、またブワッと全身の熱がぶり返してくる。真っ赤になった身体を見られたくなくて、ニアは再び布団を頭から被りなおした。 「こ、心がまえとか、前準備とか……必要だって、わかったんで……っ」  毎回シーツを全部洗う羽目になるのも嫌だし、絶対に二度と漏らす羽目にはなりたくなかった。  布団の中から言い訳がましく喋っていると、不意にぽふんと身体に何かが寄りかかってくるのを感じた。ニアに軽く寄りかかったまま、フィルバートが困惑した声で呟く。 「お前は……俺を甘やかし過ぎだ」  そう囁く声に、ニアは布団の隙間からチラリと片目だけ覗かせた。ニアと目が合ったフィルバートが困ったような笑みを浮かべている。 「甘やかして、ますか?」 「ああ、デロデロに甘やかしてるな。俺が言うのも何だが、もう少し厳しくしてもいいと思うぞ」  確かにわざわざ自分で言うことじゃないだろうと思う。  ニアは少し考えた後、ぽつりと言葉を零した。 「じゃあ……明日の朝は、フィル様が朝食を用意してください」 「分かった。何が食べたい?」 「ふわふわの、パンケーキがいいです」  ニアがそう告げると、フィルバートは嬉しそうにギュッと目を細めた。 「他にはあるか?」 「それから、オレンジジュースも、欲しいです」  絞りたてのやつ、と続ける。すると、フィルバートは「もちろん」と答えて、ニアの額にそっとキスをしてきた。

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