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Presentiment /予感-#1

それは、 竜士も碧も 互いに中学だった遠い昔の話から始まる。 ……… … 冬であるのにも係わらずとても暖かくて、日差しはとても生ぬるい。眠くなりそうなそんな日の午後のことだった。 身体が大きくどことなく大人びている雰囲気の少年がぼんやりと歩いていた。彼は竜士(りゅうじ)。中学一年ではあったがとてもその歳には見えなかった。 学校の行事で少し早めに下校することになった竜士は、何処か寄って帰ろうかなとか考えていた。 (ここは真面目に図書館へ行ってみるか……もうすぐテストだし?) と思い立って、近くの大きな図書館へ行くことにした。 竜士が図書館に入ると、本を読む人や調べ物をする人の他に、明らかに営業の会社員風のおじさんが疲れたように座っていたり、ただ暇そうな老人もぼんやりいたり、座席がそんな人で埋まっている。 座って本を読みたいし、調べたいものもあるから机があいてないかな・・と、竜士は空いている座席を探して辺りを見回した。 そうして、ふと、窓際にある椅子に目が行った。 そこに、『彼』がいた。 窓際の、暖かい日差しが入っている机とその椅子に、窓に寄りかかり、肩肘をついて転寝をしているとても綺麗な人がいた。 肌が陶磁器のように白く、栗色のふわふわな髪は日に透け金色に見え……。 人形みたいな。そんな印象だった。 その手に持つ本は、開いたまま風を受け、ぱらぱらめくれていて。 まるで……何かのアート作品のような…… ……そのままずっとずっと見ていたい。 竜士はそんな気持ちになった。 『すごい綺麗だ・・』 ため息が出るというのはこのことを言うのだろうか? 歳は自分と同じぐらい?下だろうか?と思いながらじっと見とれていた。 その彼が目をぱっと見開いた。 「……あ」 竜士は思わず小さい声を漏らす。 彼と目が合ってしまった。 彼はその目を逸らすことなくじっと竜士を見つめた。 その瞳の色はライトブラウンで、肌も白いし日本人ではないのだろうかと思われた。 そして、彼はすっと立ち上がって竜士の方へ近づいて来た。 .

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