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Presentiment /予感-#2
「Why are you looking at me?」
その彼が澄んだ声で竜士に言った。
「え、英語……?えっと外国の人??えっとあ…」
どう返事していいかと、竜士は暫く固まってしまったが彼はそれを見てクスクス笑っていた。
「大丈夫だよ。日本人だし。あんまり俺のことジロジロみてたから脅かした。でも、簡単な会話でしょ?」
そう言ってもう一度笑う。その笑顔もものすごく華麗だった。
「……簡単?じゃ……ないような…」
「それで、何か用なの?」
「ごめん。よく寝てたからついつい見てしまった」
竜士は彼に脅かされてなんて答えていいか分からなくなった。
「ふーん?人のことあんまりジロジロ見ないで欲しいんだけど?君、いい人そうだからまあいいけどさ。変なやつだったら、きっと殴ってたかもね?」
え?殴ってた……って?
そう言われ驚いて竜士はもう一度彼を見る。
頭一つ分ぐらい小さい「彼」は、ジロっと、竜士を見上げながらそのまま傍をすり抜ける様に歩いて行った。
殴る?誰が誰を?
………
それから暫くたったある日、竜士の中学の上級生の会話を耳にした。その会話の内容が、どうやら図書館で会ったあの「彼」のようだと気がついた。
あの容姿である。目立つし噂になるだろう。
彼の名は「碧(あおい)」と、そう聞いた。
竜士の中学ではなく隣の中学に通っていて彼はここ最近に近所へ引っ越して来たらしい。そうだろうかと思っていた。あんなに目立つ容姿なのに、前々から噂になっていないというのはおかしいからだ。
その上級生達はあまり良い噂を聞かない。
竜士は何度か碧の事を話す会話を漏れ聞いた。そのうちに特に質の悪い三人組の上級生が碧に何かしようとしていると分かってしまった。
その会話は体育館の用具入れの影での会話だった。
『あいつあんなに綺麗なんだぜ?ほんとに男なのかよ』
『やつを拉致ってちょっと剥いてみるか?』
『いいね!ちんこついてるか見て見ようよ?』
『挿れてみるー?』
『えー?男じゃないか』
『だから尻にだよー』
『ああ、まあ、あいつだったらいいかもねえ』
がはは・・と下品な笑いが響いていた。
これは……。
ヤツらを止めなければ…。
だけど、竜士は彼らが一体何処でどうするか分からない、碧も何処にいつもいるのかも分からない。
どうしたら…?
………
……
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