……… …… … 上級生達の企みを竜士は伝手を使って知る。 碧が学校へ行き来する通学路の近所に有名な墓地がある。墓地といっても著名な偉人の墓所などもあって昼間は観光客も多い。だけど、辺りが暗くなる夕方過ぎになればそれなりに人もまばらだ。 だからその時間に狙って碧をその墓地の中へ誘い込むか引きずり込んでそこで色々やってしまえという計画だった。 とても乱暴な方法だがあの墓地の奥深くの表から見えない所なら可能だろう。 だけど、碧は部活などやっていないので帰宅時間は遅くなることもなく夕方にそのあたりを歩くこともない。だから、その計画は実行されることはなかった。 しかし、月に一度、学校で委員会の集まりがあり下校が遅くなる日があった……。 ……その日 竜士がそれが行われると知ったのは当日。 碧の事をよく知っているわけではない。出会ったのはあの図書館での一度だけ。 だけど、 その一度だけ相見えるだけで忘れられるはずもない。 彼のあの眩さを翳らせ汚されるのは耐えられない。 だから、竜士は碧を自分の勝手で助けたいと思った。 自分の想いだけで助ける。 それに竜士は自分にはどうにかできる自信もあった。 …… .