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邂逅 #2
碧の母親は日本人ではない。イギリス人だ。
ただ、碧はずっと日本に住んでいるので自分を他の日本人とあまり変わらないと思っている。だけど、周りはそんなようには思ってはいない。
背は小柄で、母親譲りなのか、色白で、ハーフ顔なのに濃い感じはしなく、程よく整っていた。
髪の色は少し茶がかっていて、・・栗色というか…少しクセがかかっていた。その髪にその白い肌は映えていた。そんな容姿の碧が周りと同じと思われるわけもなく。周りと変わらないと思っているのは碧だけだ。
「その言い方……嫌なんだけど?」
碧は思わずきつい口調で言い返す。
「悪い。綺麗だから思わず言ってしまった」
「ソレが嫌なんだけど?」
碧はチッと少し舌打ちをした。
「まあ、覚えてなくて当たり前だからいいけどさ。ははは…実は、その先の、牟良野高校へ用があって。碧ちゃんに案内してもらいたいんだよ」
「瑞江 碧 」
「え?」
「瑞江 碧だ。俺の名前。だから勝手に"ちゃん"付けで下の名前で呼ぶな」
碧に名前をきちんと呼べと言われて竜士は一瞬きょとんとした。
「いや、すまん。だけど、碧ちゃんって呼びたい」
「……はぁ??なにソレ???」
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