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邂逅 #5
……
…………
学校はまだ授業中なのか閑散としていて静かだった。
「おぉ?碧ちゃん?ラブレター?」
碧の靴箱には何通かの手紙が入っていたのが見えて竜士はひょいと覗き込んだ。
「男から貰っても嬉しくないだろ?お前は嬉しいのか?」
そう言いながらぐいっとその手紙の束を竜士に差し出す。それを手にとって見れば本当に差出人の名前は男子だけのようだった。
「ええ?男子からだけ?女子からは?ここって共学だったよな?」
たしかこの学校は共学だったはず。と思いながら竜士は聞いてくる。
「そう。だけど、共学になったのはごく最近な話。女子は極端に少ないからね。クラスも女子クラスと男子クラスに分けられてるし。それに、俺は女子にはあんまり人気はないし嫌われてる」
「そうなのか?こんなに綺麗な碧ちゃんなのに?」
「前すっげーむかついたこと言わて言い返したら、泣いた。それきり女子たちから評判悪い。あいつらどうしていいかわならない。男だったらぶん殴ってやりたいしそれで済むのに。できないしめんどい」
何があったか知らないけれども、さもありなん?
(いや、こんな綺麗な顔で何かキツイ事言われたら、そりゃねえ……)
竜士はそうだよなあと思う。
「男だったら殴るって……」
「そう、女子を殴るわけにはいかないでしょ?」
「まあ、そうだけど。碧ちゃんが無駄に暴力的じゃなくってよかったよ」
「……"ちゃん"づけはやめろって言ったよな?」
「じゃあ、俺の事も"お前"じゃなくって竜士とか竜ちゃんとか、言ってほしいんだけど?」
碧は応えず竜士睨んで無言のまま、その場を去って行った。
「……というかこの手紙どうするんだよ?」
「お前にやるから。っていうか山田に職員室行けって言われただろ行けば?」
「えええ…ちょっと」
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