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邂逅 #8
竜士は大体の学校のつくりとして大体この辺りに保健室があるだろうと予測して廊下を歩いた。
(誰かに聞いてもいいけど取り合えずさがしてみるか?)
昼休みで時間的に余裕もあることもあった。もしわからなければその時に聞こうと思った。だけど、あっさりと保健室と書かれたドアを見つける事が出来た。
竜士はそっと保健室のドアを開けると、今朝会った養護教諭の山田が気が付いて声を掛ける。
「あ、君は今朝の……えっと」
「相沢です。相沢竜士です」
「そうそう、相沢くんよね。何処か具合悪くなった?」
「いや、そういうわけでは、こちらに、碧……。いや、瑞江くんがいると聞いて来たんですけど」
「あらそう?瑞江くんはねえ……今、寝てるわよ」
「具合悪いんですか?」
「……具合悪いというか、ねえ……」
山田は碧が肩に怪我をしていること、その怪我の傷口が開いて痛いらしくて、きちんと傷口を見て包帯を変えてあげたと……説明をした。
(傷口が開いたのはどうやら今朝の自分との騒動が原因……?)
山田の説明を聞きながら竜士は焦った。
「瑞江くん、すぐトラブル起こすのよね。なにかしら揉めて喧嘩して、それで、1年の時なんか大怪我したのよね」
寝てるのは痛みが酷くなったので痛み止めを飲んで暫く眠っているかららしい。
「山田先生ちょっと来て下さい」
教師がドアを開けて山田を呼んだ。
「あら、ごめんなさい。じゃそういう事。今は寝てるからそっとしてあげてね」
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