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邂逅 #12
だけど、碧は
「は。マジでコろすわけないよ。まあ、半殺し?程度」
しれっと事も無げに答えた。
「……うん。それは……ね。まさか、俺にもそうする?」
ふと竜士は聞いてみた。
「やるかもな…?というか、オマエ何しにここに来たんだ?俺をからかいに来た?」
「ああ、忘れてた、あんまり、碧ちゃんが綺麗だったし」
そう言うと、竜士はちゃらけた様子を止めてすっと、違う雰囲気を醸し出す。すると、碧のそばへ顔を近づけて、言い放つ。
「宮田が帰って来たよ…。俺はソレを伝えるために来た」
「……宮田??」
碧は竜士を見返した。
その時、
保健室のドアが開いた。
「…相沢くんまだいたのね?」
山田が帰って来た。
「いや、瑞江くんといろいろ話してしまって…」
「あら、瑞江くん起きたのね。よかったわ」
山田は笑いながら明るく言った。
「じゃ、後で…」
そう言って、竜士は出て行こうとした。
「待て…。オマエ、なんで知ってるんだ?」
碧は竜士に向かって言った。
「気になる?」
竜士はこそっと碧だけに聞こえるように言った。
「…だから、後でゆっくり話すね」
そう言ってさっさと保健室を出て行った。
その姿を見送りながら碧は保健室のベッドの上で横になりながら色々考えていた。
「あいつ…何者?」
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