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はじまり #4

………… ……… …… ここは?暗い。 ここは?何処? 『愛しているよ・・・だからずっとここにいて・・だから・・ずっと僕のそばにいて・・・』 冷たい手が自分の首を絞める。息が出来ない。 でも、怖くない。 …… 碧の意識の中ではどれが今でどれが過去でどれが夢で分からなくなっていた。 いつの時間のことなのか今はいつなのか それとも自分はもう今の時間を生きていないのか? それも分からくなっていた。 碧は宮田に刺されて病院へ行っていた。 一番深い刺し傷は腹部。腹部含む数カ所の刺し傷だったが、だけど、命に関わる刺し傷ではなかった。 しかし、傷の処置がなされて、麻酔が切れても、碧の意識はなかなか戻らない。 まるで、生きるのを拒否しているかのようだった。 ………… 碧は夢の狭間にずっとずっといた。 『……来て』 「彼」が言い放ってすっと消える。夢は過去の呪縛だった。 ……… 碧はそっと目を開く。 目に入ってきたのは白い天井とカーテンだった。暗闇から、突然眩しい白い空間に来たような感じで碧は目が眩む。 一体自分がどうなっているのかが理解できなかった。 「碧?」 直ぐ側から聞こえてきたのは聞き慣れた母親の声だった。 「目覚めたのね?よかった」 母親が涙ぐみながら言っていた。 「よかった……本当によかった」 何度も何度もそう言って碧の手をぎゅっと握った。 「……かあさん?ここは?」 ずっと眠っていたせいか口が乾いたようで、上手く言葉が出ない。 「碧。あなた、刺されたのよ?それで、ずっと目を覚まさなかったの」 では、ここは病室ってことなんだ?碧はぼんやりと周りを見回した。白い空間。と思ったのは天井もカーテンもベッドもすべて白っぽい色だったからだ。 母親は医者を呼びに病室を出て行った。母親が出て行く方向を見ながら、碧は、ぼんやりと、自分が先ほどまで見ていた夢を思い出していた。 …そうか、俺、宮田に刺されたんだっけ… あれは、俺の夢の中に来たのは…彼だ「デイヴ」 俺を向かえに来たのか? ……俺は、また「あっち側」に行けなかったんだ。 碧は、そのまま再び目を閉じた。 .

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